「かっこいいプレー」が身上、西武金子侑の真価が問われるレギュラー2年目
特技は「バック転とバック宙」、独学で習得した理由とは…
しかし、復帰後の金子選手の活躍はまさに獅子奮迅だった。1軍合流直後は、昨季と同じ「1番・右翼」で出場したが、離脱中に上位に座っていた秋山選手、源田選手、浅村選手が揃って好調だったこともあり、交流戦明けからは9番に回ることに。その打順で昨年以上に好調な打棒を披露し、「恐怖の9番打者」として存在感を見せ付ける。
外野手の枠がなかなか埋まらず、同時に下位打線が弱点となっていたチームにとって、金子選手の復帰はまさに最後のピースが埋まる僥倖だった。チームは7月21日から8月4日にかけて怒涛の13連勝を果たしたが、7月の月間打率.436を誇ったその打棒が、球団記録に迫る大型連勝において大きな役割を果たしたことには、疑問を差し挟む余地がない。
今季ここまでの成績は、53試合179打数56安打26打点4本塁打、打率.313。その好調な打棒と自慢の俊足によって、時にはリードオフマンとして、時には上位打線へのつなぎ役としての役割を全うしている。
アマチュア時代の金子選手がバック転やバック宙を独学で習得し、スイッチヒッターになることを選んだのは「かっこいい」からだという。強力な埼玉西武打線にアクセントを加える179センチ、70キロの「絵になる男」が、自身がプレーの根幹に置く「かっこよさ」を追い求めながら、レギュラー定着2年目のシーズンを駆け抜ける。