ハム大谷が“ドラ1後輩”堀に見せた思いやり「プレッシャーがあったと思う」
堀が逆転を許した直後、大谷が「うまく反応できた」5号ソロで同点
日本ハムの大谷翔平投手が17日、本拠地でのロッテ戦で7回に5号同点ソロを放ち、ドラフト1位ルーキー・堀瑞輝投手の“負け”を消した。チームは延長11回にサヨナラ勝ちし、6月2日以来の3連勝を飾った。
後輩を一振りで救った。1点リードの7回に本拠地初登板した堀がソロ2発を食らって逆転された直後だった。先頭の大谷がロッテ南の初球145キロの直球を捉える。「芯先ぐらいですね。インコースの難しいところだったんですけど、うまく反応できたと思いますね」と振り返った打球は右翼席中段へ飛び込んだ。
打った瞬間、十分な飛距離を確信したのだろう。ゆっくりと走り始め、悠々とダイヤモンドを1周した。「(どれだけ)飛んだかよりも切れなかったことが良かった。いいアプローチができていると思う」と大谷は珍しく自画自賛した。
この時、ベンチの栗山英樹監督は不思議な巡り合わせに感じていた。「翔平のホームランで(負けが)消えるのは物語があると思う」。高卒ドラ1の2人が持つ“つながり”をそう表現した。
大谷自身、堀への思いやりを口にした。「リードした段階で(マウンドに)上がってプレッシャーがあったと思う。(逆転されて)悔しいと思うけれど、勝ったことは良かった。堀にとっても良かった」。自身と同じように1年目で1軍登板した後輩へ、バットで示した激励だった。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)