ホークス和田復帰戦で“先輩”井口から1500奪三振「一生忘れられない1球」

ヒーローインタビューを受けるソフトバンク・和田毅【写真:藤浦一都】
ヒーローインタビューを受けるソフトバンク・和田毅【写真:藤浦一都】

左肘手術から復帰、4月7日以来約4か月半ぶりの先発で勝利

 頼れる男が帰ってきた。ソフトバンクの和田毅投手が、復帰戦で見事な投球を見せた。27日のロッテ戦(ヤフオクD)。左肘の遊離軟骨除去手術を受け、4月7日の西武戦(メットライフD)以来の先発マウンドとなった左腕だが、ブランクを感じさせないほどの安定した投球。通算1500奪三振の節目も達成し、6回2安打無失点の好投で、復帰戦を白星で飾った。

「6回までゼロに抑えられたので、いいピッチングが出来たと思います」

 初回に2つの三振を奪い、3者凡退と完璧な立ち上がりを見せた和田。4回には大嶺翔、清田、そしてダイエー時代のチームメートだった井口と3者連続空振り三振。今季限りで引退する井口から奪った三振が、1500個目の三振となり「まさか井口さんから1500個目が取れると思ってなかった。一生忘れられない1球になったと思います」と語った。

 5回には先頭角中の中前安打と2四球で2死満塁とされたが、荻野貴を三ゴロに打ち取ってピンチを脱出。6回を3者凡退に片付け、ここでお役御免となった。「5回にもたついた。あれがなければ、7回までいけたんですけどね」と言うが、首脳陣が設定していた90球前後の球数制限の中に収める85球で6回2安打無失点。十分過ぎる投球内容に、工藤公康監督も「素晴らしい。大したもの。やっばり凄え。90球前後としていたけど、その中で6回まで投げてくれて、凄いです」と脱帽だった。

 東浜、千賀と今季を支えてきた両右腕で連敗し、迎えた復帰戦のマウンド。

「2軍の2戦目でボコボコに打たれていましたし、ロッテ打線も好調だと聞いていたので、不安はもちろんありました。けれど、自分のピッチングをすれば、味方が点を取ってくれるという考え方は昔から変わらないので、そういう気持ちで投げました」

 結果的に見れば、どこに不安があったのか分からないほどの快投だった。

「肩肘は全く問題なかった。下半身のほうが疲れているくらい。次はさらに万全の状態で、今日よりは多い球数を投げられると思います」と語った和田。優勝へと突き進む終盤戦。頼もしきエースの戦線復帰は、チームにとって、この上ない朗報だ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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