NY地元紙が田中将大の快投絶賛「ヤンキースの敵、バッドマサ」は出現せず
DL復帰後に見せる力強い投球で「ファンが夢を抱き始める理由をくれた」
27日(日本時間28日)本拠地でのマリナーズ戦で、ヤンキース田中将大投手は7回6安打10奪三振で1失点(自責1)という快投で、今季10勝目を挙げた。これで日本人投手としては初のメジャーデビューから4年連続2桁勝利を達成。メジャー通算100試合目の登板で通算600奪三振も記録した。ワイルドカード争いを繰り広げる敵を一蹴する快投を、地元紙「ニューヨーク・ポスト」電子版は「ヤンキースファンが夢を抱き始める理由をくれた」という見出しで絶賛した。
初回こそ1失点した田中だが、なおも1死二、三塁の危機でシーガーを空振り三振、ハニガーを中飛に仕留め、最少失点で切り抜けた。2回以降はマリナーズ打線を封じた右腕だが、初回を1失点で切り抜けられなければ、その後の展開は大きく変わっていただろう。記事では、試合の流れを左右した1回の力投に触れ、ファンの中には「今季序盤に現れたヤンキースの敵、バッドマサの出現」を恐れた人もいるだろうと予測。だが、バッドマサは姿を現さず、そこには頼りがいのあるエース右腕の姿があった。
右肩の炎症で入っていた故障者リスト(DL)から復帰後2戦は合計14イニングに投げて4失点。記事では、「タナカが再びねじ伏せた」と表現。不安定さが目立ったシーズン序盤の姿はなく、本来の田中らしい投球ができていると言えそうだ。これには同僚ヘッドリーも「心強い」と話したという。
現在、プレーオフ進出を懸けて、レッドソックスとの地区優勝争い、同時にワイルドカード争いの真っ只中に身を置くヤンキースにとって、田中の復活は何よりも心強い後押しだ。つまり、ヤンキースファンは「プレーオフ進出とプレーオフでの勝ち上がりの夢」を抱き始める理由を得た、という訳だ。記事では、さらに一歩踏み込み、ア・リーグ地区シリーズの予想先発ローテについても言及。今季好調のセベリーノがワイルドカードゲームで先発すると仮定し、田中が第1戦、グレイが第2戦、サバシアが第3戦と予想し、「悪くはないだろ? ガルシアかモンゴメリーがロングリリーフに回れば、ヤンキースファンは大喜びの投手陣になる」とリポートした。
ヤンキースは28日(同29日)から中地区1位のインディアンス3連戦、31日(同9月1日)から同地区ライバルのレッドソックスとの4連戦が控えている。シーズンは残すところ5週間。エース復活のヤンキースが正念場をどう乗り切るか楽しみだ。
(Full-Count編集部)