5年連続黒字経営を誇る独立L新潟、若き社長池田氏に聞く球団経営の在り方
「お客様はファンというよりサポートをしてくださる存在」
ですが、2010年、4シーズン目で黒字に転換しました。翌年また赤字になってしまいましたが、2012年からは5期連続で黒字経営を継続しています。ホワイトナイト(資金援助者)がどこからか現れたわけではなく、野球塾などの新規事業にも挑戦しながら、経費を切り詰め、収支のバランスを取った結果です。
何と言っても、2009年7月にこのハードオフエコスタジアム新潟がオープンしたことは大きな転機となりました。素晴らしい球場に恵まれたことは大きいですが、その上でどうやったら身の丈に合った経営ができるかを常に考えています。球団は野球塾の運営をしていますが、他にも自主財源として様々な収入源を獲得しています。また、スポンサーをきめ細かく獲得するノウハウも構築しました。
北陸一の大都市である新潟を中心に活動していることは、確かに強みになっているかもしれませんが、一方で新潟にはサッカー、バスケットボールなど、いろいろなスポーツクラブが並立しています。いずれも同じアルビレックスを冠して活動を展開しています。アルビレックスのサッカーやバスケットボールなどは、先輩クラブであり、兄弟クラブという親近感があります。運営面で教わる部分がたくさんありますが、各クラブは独自運営、独立採算ですから、皆さんがイメージされるよりも経営面でリンクする部分は多くありません。もちろん、同じ名の先輩クラブがあることで、アルビレックスを冠する全てのクラブに頑張ってほしいと願う県民・市民がたくさんおられたのは大きいですね。そういう意味で、ブランドの強みを感じています。
新潟アルビレックスBCでは、お客様を「サポーター」と呼んでいます。独立リーグは、トップリーグではないので、チケット収入に頼って運営するのは難しいという現実がある中、お客様は、ファンというよりサポートをしてくださる存在だと認識しています。