新人王候補の中日京田を変えたもの 打撃の転機、そして“同期”からの刺激
パ新人王最有力候補の西武・源田に刺激
盗塁は田中広輔内野手(広島)の「29」、大島洋平外野手(中日)の「23」に次ぐリーグ3位の「21」盗塁を記録しており、盗塁王も狙える位置につけているが、タイトルは「将来的に取れればいいと思う」と話す。
「新人王や盗塁王というタイトルよりも、試合に出られているので、その中でどうやってシーズンを戦っていくか勉強しなければいけないし、今勉強できています。自分のできるプレーをしっかりするだけです」
それでも、パ・リーグ新人王最有力候補、西武の源田壮亮内野手には、特別な思いを持っているようだ。自身と同じ遊撃手で俊足と守備が持ち味のルーキー。リーグは違うが、大いに刺激を受けているという。
「向こうはフル出場していますし、盗塁数もリーグトップです。ナゴヤドームでの交流戦で、ショートを守っている時に源田選手がセカンドに盗塁してきたんですけど、その時のスライディングがすごく速かったです。守備もよくて『あそこに飛んだらアウト』と周りから思われている。見ていて勉強になりました」
攻守にわたる堂々たるプレーぶりを見ていると、新人であることを忘れてしまいそうだが、まだ大学を卒業してから半年も経っていない。生活環境が変わったこともあり、シーズン当初は、移動や初めての球場でのプレーに苦労したという。何よりも大きな違いを感じているのが、1年間野球をプレーし続けるスケジュールだ。遠征先では先輩たちに美味しいものを食べに連れて行ってもらい、食事はしっかり摂っているそうだが、それでも痩せてしまうことが悩みだと苦笑いする。
「疲れはないと言ったら嘘になりますが、チャンスをもらっているので、疲れている中でどうやって試合をするか考えています。疲れを取るためには、よく寝ることを心がけています。
それでも、会う人会う人に『顔がげっそりしたね』って言われます。大学は春と秋のリーグ戦だけなので『プロは毎日試合ができて楽しいだろうな』と思っていましたが、そう甘くはなかったです」
プロに入るため、プロで生き抜くために試行錯誤した大学時代。「あの大学日本代表の経験がなければ、今の自分はないと思います」。そう言い切る京田の表情に、代表経験を積んで以降、誰よりもバットを振り、練習を積み重ねてきた自信が伺えた。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)