NY地元紙が米スカウトの大谷評をリポート「制球難で右足首が気になる様子」
ナ球団スカウト「彼はスポットライトが好き」とヤンキース有利を示唆
8月31日の本拠地ソフトバンク戦で、7月12日オリックス戦以来50日ぶりとなる先発マウンドに戻った日本ハム大谷翔平投手。3回1/3を投げて当初予定されていた球数を超える64球を投げて降板。3安打4奪三振3四球で4失点とし、2敗目を喫した。“二刀流”の完全復活はスタートしたばかりだが、日本国内は元よりアメリカでも大きな注目を集めている。
大谷の本格先発復帰戦にはメジャー14球団22人の関係者が訪れ、バックネット裏からパフォーマンスに熱視線を注いだ。その中にはヤンキースのキャッシュマンGMとアフターマンGM補佐の姿も。地元紙「ニューヨークポスト」電子版では、「チームはア・リーグ東地区優勝とワイルドカード争いの真っ只中にあるのに、キャッシュマンが日本へ出掛けたことは、日本ハムの二刀流オオタニに対するヤンキースの関心レベルを物語っている」と報じ、名門球団の本気度の高さを伺わせている。
試合後はコメントを出さずに球場を後にしたキャッシュマンGMを含め、メジャー球団の関係者やスカウトは大谷の登板をどう見たのか。記事では「視察に出掛けたスカウトの1人」の話として「オオタニは制球難に苦しみ、投球制限の原因となった右足首が気になる様子だった」と伝えている。同時に、そのスカウトは大谷が軸足とする右足が「しっくりきていない様子だった」と話したそうだ。
また、別のナ・リーグ球団のスカウトは「彼はスポットライトが好き」と話し、今オフに日本ハムがポスティングした場合には、東海岸と西海岸の大都市に惹かれるだろうと予測。「ヤンキースが有利にあると思う」とコメントしたそうだ。
昨年12月から施行されたMLBの新労使協定により、今オフに移籍する場合、23歳の大谷の契約金には上限が決められ、メジャー契約を結ぶことができない。記事によれば、ヤンキースはすでに中南米出身の複数選手と契約をしたため、契約金として使える残高は465万ドル(約5億1140万円)だという。他球団とのトレードで上限を押し上げることはできるが、それでも500万ドル(約5億5000万円)が限度となりそうだ。
今オフに大谷がメジャー移籍を決断すれば、喜ぶのはヤンキースやドジャースのように潤沢な資金を持たない地方球団だろう。契約金に上限があり、マイナー契約となれば、ポスティング費用を含めても大きな負担にはならない。ナ・リーグ関係者は「誰が契約することになっても、旬の選手をお手頃価格で手に入れられる」と話したそうだ。
レギュラーシーズンは残すところ1か月。この間に大谷は、先発投手としてどこまで状態を上げられるのか。また、シーズン終了後にどんな決断を下すのか。国内外からの注目が途切れることはなさそうだ。
(Full-Count編集部)