日本1強ではダメ…侍J女子代表が国際大会で見せた女子野球発展への取り組み
試合後にパキスタン代表にトスバッティングやクールダウンを伝授
「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」(香港)は4日、大会3日目を迎え、日本はパキスタンに17-0の4回コールド勝ちを収めた。試合後、日本の選手たちはパキスタンの選手たちにトスバッティングを教え、クールダウンも一緒に行って交流を深めた。
戦いを終えたばかりの日本の選手たちが、再びバットとグローブを手にグラウンドに飛び出した。向かった先はパキスタンが陣取る三塁ベンチ前。ここで日本代表によるパキスタン代表への野球教室が始まった。日本の選手2人が前に出て、トスバッティングの見本を披露。パキスタンの選手たちは、その姿を食い入るように見つめていた。その後、日本の橘田恵監督は、日本の選手とパキスタンの選手でペアを作り、トスバッティングをするように指示。レフト付近に散らばると、日本の選手がボールを投げ、パキスタンの選手が打ち始めた。
「良かったら、『パーフェクト!』って言って!」
橘田監督の声がグラウンドに響く。日本の選手たちは「パーフェクト!」「グッド!」など、ボールがしっかりと打ち返されるたびに声をかけながら、バットの持ち方や軌道を日本の選手たちは丁寧に伝えた。
国を代表して戦う国際大会の最中、なぜ、このような交流が生まれたのか。橘田監督が経緯を明かしてくれた。
「インドが初日に日本のウォーミングアップを食い入るように見ていたそうなんです。キャプテンの吉井に『どうやった?』と聞いたら、『すごく見ていました』と。『インドとウォーミングアップを一緒にやろうか?』って言ったら、吉井が目をキラキラさせて『いいですね!』という反応でした。インドとはウォーミングアップ、もしくはクールダウンを一緒にやれたらいいねって話を食事会場でしていたんです。そしたら、長谷川(一雄)会長が『パキスタンにも声をかけてあげたら』と。
ちょうど、パキスタンも食事中だったので、『日本の選手ができることはないか』と聞いたんです。アップはどうかと聞いたら、アップは日本人の体力についていけない、と。じゃあ、ダウンを一緒にやろうかと話したんです。そしたら、ダウンを一緒にやってほしい。それから、トスバッティングを教えてほしい、と。見本を見せて、一緒にやってあげてほしいというリクエストがあったんです」