広島の“泣き所”三塁手、規定打席到達の安部、3割超え&正位置獲りなるか
2008年に新井が阪神移籍後は三塁レギュラーが決まらず…
一時期の広島では、三塁は外国人選手が守るポジションだったが、好成績を上げた選手はいない。2012年には当時3年目の堂林が抜擢されたが期待に応えられず。2014年はひざを負傷したベテラン梵が遊撃からコンバートされたが、正位置を確保するには至らなかった。昨年から安部が起用されたが、規定打席には遠く及ばない292打席で終わった。
規定打席に達した安部が正三塁手として3割をマークすれば、広島では2005年の新井貴浩以来となる。この年の新井貴浩は121試合で三塁を守り、打席では43本塁打で本塁打王を獲得。その他も94打点、打率.305(12位)と、まさに主軸の働きをした。2005年には一塁手で35試合に出場しただけだが、ベストナインの三塁手として打点王を取った阪神の今岡誠が選ばれたため、一塁手としてベストナインに選出されている。
その新井が2008年に阪神にFA移籍して以後、広島は三塁手が固定できずに苦労してきた。
安部は28歳とやや遅咲きではあるが、同年の同じ日に同じ病院で生まれた縁を持つエース野村祐輔とともに、ようやくカープの主力選手になりつつある。
歴史を振り返ると、広島は衣笠祥雄、山崎隆造、江藤智、そして新井貴浩とリーグを代表する強打の三塁手を輩出してきた。23歳の西川龍馬も台頭しているが、安部は広島の「名三塁手」の系譜に名を連ねることができるだろうか。
(広尾晃 / Koh Hiroo)