「マドンナジャパン」が初代アジア女王のタイトルとともに得た“財産”

「せーの!」に「セーノ!」、インド選手の楽しむ姿勢に共感

 この日の審判講習会だけではない。大会中、日本はパキスタン戦後、トスバッティングを教え、クールダウンを一緒にした。インドには試合前のウォーミングアップをともにし、やり方を伝えた。

 いずれも、日本が“教える”立場だったが、阿部希(福知山成美高)は「インドの人たちはアップから楽しんでいて、そういうところはこちらが学ばないといけないことだと思いました。インドやパキスタンの選手たちは1つのことへの楽しさで溢れていた。その気持ちを忘れてはいけないなと感じたので、逆にこちらが有り難かったです」と感謝した。

 吉井温愛主将(履正社高)も「インドの選手たちはアップでさえもとても楽しそうで、本当に野球が好きなんだなと思いました。日本が『せーの!』と言って、数えていたんですけど、インドの人も『セーノ!』と言って、とても楽しんでいました」と、楽しむ姿勢に共感。教えているつもりが、逆に教えられた。

 今大会は各国との交流に審判講習会など、日本も学びながら、アジアの女子野球発展に貢献する姿勢を見せた。日本の選手たちにとっては、獲得した金メダルとともに野球人生の大きな財産になるだろう。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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