「SPORTS ENTERTAINMENT TRADE SHOW 2017」に見るスポーツ界の未来
パ・リーグ6球団のマーケティング担当者らがワークショップ開催
近年、スポーツ業界におけるテクノロジーの進化と現場への応用は、目覚ましい発展を遂げている。「パナソニック システムソリューションズジャパン株式会社」のブースでは、ゴルフ選手の顔色から心拍数を解析できる機器が紹介されていた。プレー中に心拍数を測ることはこれまでも可能だったが、最新の技術を駆使すれば選手に特殊な機器を取り付ける必要がない。「株式会社CDG」のエリアに並んだ「ロボホン」は多機能なロボット型の電話で、人の声に反応して会話やアクション、撮影や検索なども器用にこなす。踊りのバリエーションには野球の応援歌も含まれていた。こうした技術は今後、他のスポーツにも広がりを見せて浸透するかもしれない。
会場内に設営されたセミナー開場には、パ・リーグ6球団やBリーグのプロスポーツチームのマーケティング担当者が登壇。1.「ネット&リアルショップの販売連携と相互作用」、2.店舗運営/管理、3.動員グッズ企画と効果/事例共有、4.ピッチ:先進IOTサービスプレゼンテーション、の全4部に分けられたワークショップが開かれ、熱心な参加者で椅子は埋まり、立ち見も1列や2列ではなかった。開場は交流会、セミナーに加えて、商談会の顔も持つ。すなわち「様々なロットや納期に対応した商品をご提案」することで「スポーツに特化したユニークなグッズやアイデア商品を発掘」できれば、その場で商談にも発展するし、来場者同士が「他クラブと連携して発注することでコストを削減」という話に展開することもありえる。
競技の壁を越えた「スポーツ業界の発展」が「SPORTS ENTERTAINMENT TRADE SHOW 2017」開催の目的だ。当イベントは、アメリカのウインターミーティングを見本に企画された。毎年12月にMLB30球団とMiLBの代表者が一堂に会するこの一大行事は、4日間に渡って催される。そこでは、運営面での話し合いが持たれることはもちろん、他球団との大物選手の移籍交渉を含めた数々の商談が成立する。選手が対象になることはないとはいえ、「SPORTS ENTERTAINMENT TRADE SHOW 2017」の位置づけは、言うなれば日本版のウインターミーティングだ。過去数回、ウインターミーティングに足を運んだ発起人である東北楽天ゴールデンイーグルスの渡辺太郎氏は、日本のプロ野球だけではなく、スポーツ界全体を巻き込んだイベントの必要性を実感したと語っている。