「自分にとって教科書のような人」ロッテ大嶺が誓う井口への最高の恩返し

ロッテ・大嶺翔太(左)と井口資仁(右)【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
ロッテ・大嶺翔太(左)と井口資仁(右)【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

引退試合の9月24日での1軍入りを目指し、全身全霊でアピール

 今シーズンの中盤、1番を打つことが多かった。本来の持ち味は積極的な鋭い打球だが、1番という打順を意識して、どこか消極的になっていた。声をかけられた。「初球からどんどん積極的に打っていけばいい」。その言葉で楽になった。

 5月30日のタイガース戦(ZOZOマリンスタジアム)、2-2の同点で迎えた2死二塁の場面でタイガース先発・秋山の初球変化球をレフトスタンドへ運んだ。勝ち越し3号ソロ。迷いのないスイングだった。ベンチに戻ってくると井口がハイタッチで迎え、「積極的ないいスイングだった」と声をかけてくれた。自分のスタイルが分かった気がした。

 ベンチスタートの時も近くにいると、その日の相手投手の特徴、傾向などを教えてくれた。学ぶことはあまりにも多かった。だからこそ6月20日に大先輩が引退を発表した時、強いショックを受けた。まだまだ聞きたいことはたくさんあった。

「いつも親切に親身になって相談に乗ってくれた。自分にとって教科書のような人だった。これから心細い気持ちもあります。でも、それだとダメ。教えてもらったことのすべてを忘れずに実践をしていきたい。結果を出したい」

 背番号「6」の引退試合が決まった時から、絶対に9月24日のファイターズ戦(ZOZOマリンスタジアム、14:00試合開始)で1軍入りすることを心に誓う。グラウンドでプレーをする姿を間近で見たい。その場に一緒に立ちたいと思い、歯を食いしばっている。だから、7月31日に抹消となっても決して諦めなかった。2軍で全身全霊アピールを繰り返し、チャンス到来の時を待ってきた。

 憧れの存在と共にプレーができる機会はあと1試合。絶対にその日を逃さない。1軍で結果を出し続け、その場に立つ。背番号「50」は成長をした姿を見せることで最高の恩返しをすると心に誓う。

(マリーンズ球団広報 梶原紀章)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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