初回86得点、70勝8敗、71勝1敗…ソフトBの強さ表す驚異の“必勝パターン”
プロ通算224勝の工藤監督が考える、先発投手攻略のチャンス
工藤公康監督は「常日頃から言っているのは、先発投手の立ち上がりというのは、まとまらないもの。甘い球がある。初回から積極的に打っていこう、というのは打撃コーチにもお願いしている。みんなが初回から集中して臨んでくれている証しかなと思います」という。
初回というのは、相手の投手の状態や球筋を見極めるなど、じっくりとボールを見ていくものと思われがち。だが、ソフトバンクの、工藤監督の考えは全くの逆。プロ通算224勝を挙げた左腕の投手の視点は、立ち上がりこそが、先発投手攻略の最大のチャンスというわけだ。
さらには、相手チームにとって、対ソフトバンク戦で初回から得点を奪われると、かなりのプレッシャーになる。指揮官は「先に点を取れば、ウチの投手なら勝てるという雰囲気になる」という。それを可能にするのは、守護神サファテをはじめとしたリリーフ陣の存在。今季ソフトバンクは先制した試合は70勝8敗。6回終了時点でリードを奪った試合の成績は71勝1敗と驚異的な成績になっている。今季の86勝のうち71勝は6回終了時点でリードを奪っていたということも驚きだ。
この数字、相手チームからすれば、6回までに同点ないし逆転しなければ、勝てる可能性が限りなく低くなるということを表している。6イニングしかないとなれば、相手チームにはプレッシャーになり、少なからず焦りも与えることになる。
初回の先制攻撃でリードを奪い、投手力で逃げ切る。これが、ソフトバンクにとっての“必勝パターン”となっている。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)