競技者人口の増加、そしてパラ五輪競技採用へ 西武が手掛ける活動の意義

パラリンピックの正式種目採用に向けた課題は?

 最終的にパラリンピックの正式種目を目指すにあたり、課題や改善すべき点はいくつも存在する。それはやはり、競技者人口を増やすこと、そして競技場所を確保するという点だろう。

 今大会の運営に携わった株式会社西武ライオンズ・事業部リーダーの別府学氏は「試合数を確保するために必要な二面のフィールドを取るのがなかなか難しかったり、こういう広いスペースはあっても下がボコボコであったり、傾斜がついていたりして平らなスペースの確保が難しいです。同様に選手の皆さまも練習場所の確保などに苦労されているとのことでした。なかなか課題の解消は簡単なことではありませんが、我々が主催として開催することで、少しでも機会が作れたらいいなと思っております」と、大会を主催する理由について説明する。

 まず、広いスペースを探すことに苦労し、仮に見つかったとしても車椅子で競技ができるという条件をクリアしなければならない。そこら中にある土のグラウンドの球場ではなく、駐車場のような凹凸のない平らな広場が最適な場所であり、このような場所を増やすためには、知名度が高まり、競技者人口が増えていくことが必須条件と言える。

 別府氏は今後について「プロ野球チームから発信することは、一般の方への影響力があるものだと考えていて、可能であれば埼玉西武ライオンズだけでなく、他の球団にもこの様な取り組みが広がっていってほしいです。そしてプロ野球だけでなく、野球、ソフトボールに関係する団体が一丸となり、誰でも楽しむことができる野球型スポーツというものを広げていきたいなと思います。支援する形はそれぞれだと思うので、それぞれができる形で、プロアマ関係なく一緒になって普及できたらいいなと思っております」と力説する。

 今回のような活動自体は、メットライフドームの動員などに直接結びつくものではない。しかし、野球をはじめとする、ソフトボールやスポーツ界全体の活性化を本気で願うからこそ、埼玉西武ライオンズは様々な支援を行っている。あとは今大会のような活動が、他球団や他競技へと広まっていくことを願うばかりだ。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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