広島、2桁勝利5人誕生は厳しく 大瀬良が勝てず「チャンスあげられるか…」
ルーキーイヤー以来の2桁に王手も…5人の10勝投手誕生も厳しく
広島の大瀬良大地が、ルーキーイヤー以来となる2桁勝利到達をかけて21日の阪神戦に先発した。6回途中3失点で、勝ち投手の権利を持って降板したが、リリーフ陣がリードを守れず勝ち星を逃した。
初回から大量5点の援護をもらい、5回までは上本のタイムリーの1点のみに抑えた。大瀬良は「いいボールと悪いボールがはっきりしていた。その中で5回まではなんとか投げられたが、6回にいつもと同じ形で投げきれなかった。悔しいです」と肩を落とした。
8月以降は先発した6試合中、3試合でイニングの途中で交代し、2勝と勝ち星も伸びなかった。大瀬良は「課題としてずっとやってきたことが(悪い形で)出てしまった。点を取ってもらっても、ああいう投球をすると流れが悪くなる」と反省した。
緒方監督は「制球がちょっとね。思ったところに投げられていなかった」と残念そうだった。14年以来の2桁勝利にあと1勝と迫っているが、残り試合は6試合しかない。「今はCSに向けて、投手も野手もアピールの場でもある」と言う緒方監督は「今日の九里や中田もそういう立ち位置にいる」と、ポストシーズンに向けての競争を示唆。「明日の(中村)祐太もそうだし、2軍で調整している岡田やジョンソンもいる。そう考えると(大瀬良に)もう1度、チャンスをあげられるかどうかはわからない」と厳しい表情を見せた。
現在、チームでは薮田と岡田が2桁勝利をクリアし、野村と大瀬良が9勝となっている。チームでは13年の前田健、野村、バリントン、大竹以来となる先発10勝カルテット、さらにはリリーフ兼任で9勝の九里も含めて5人の10勝投手誕生が期待されたが、残り試合を考えると苦しい状況となった。
今季から本格的に先発復帰を果たした大瀬良にとって、2桁到達は大きな意味を持つことになる。本人は「チャンスがあれば、またしっかり頑張りたい」と話したが、もう一度登板機会はあるのか。単なる消化試合ではない残りゲームに注目したい。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)