巨人坂本勇、復調への鍵は? 8月以降は反対方向への安打割合が急落

原因不明も数字にはっきりと見える傾向

 坂本の急落について、メディアは様々に報じている。打撃フォームがおかしくなっている、ステップが広くなったと指摘する解説者もいる。原因は特定できないが、数字的にははっきりした傾向が一つ見えている。

 月別の安打数に占める右翼方向への安打数の比率(内野安打は別にカウント)。

3.4月 34.4%(32安打中12安打)
5月 42.3%(26安打中11安打)
6月 25.9%(27安打中7安打)
7月 32.2%(31安打中10安打)
8月 23.8%(21安打中5安打)
9月 23.1%(13安打中3安打)

 昔から安打製造機と言われた選手は、スプレーヒッターと言われた。スプレーを噴霧するようにフィールドの各方向にまんべんなく安打を打つものだった。

 坂本勇人は164本塁打を記録しているようにスタンドインする力をもっているが、同時に流し打ちも非常に得意だ。今年も7月までは、6月を除き、3割以上の安打を逆方向に打っていた。まさにスプレーヒッターだったのだ。

 それが8月以降急落した。端的に言えば右翼方向への流し打ちの安打が減った分、打率が下がったともいえる。成績急落によって焦りの気持ちが生じ、引っ張りにかかっているのかもしれない。打撃フォームの問題かもしれない。反対方向に打つことを意識することで活路が開ける可能性はあろう。

 今後、坂本の打球がどこに飛ぶか、注目したい。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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