無限の可能性を信じて― パ期待の新鋭揃い、「高卒3年目」が熱い

今季飛躍を果たしたホークスの松本裕

【千葉ロッテ】
香月一也内野手:19試合41打数8安打0本塁打2打点、打率.195

 昨季の終盤に1軍に昇格し、プロ初安打を放って確かな一歩を踏み出した香月。今季は4月下旬に1軍昇格を果たすと、昇格と抹消を繰り返しながら19試合に出場し、4月23日にプロ初打点を挙げた。ファームではチーム最多となる9本塁打をマークし、虎視眈々とその打棒を磨いている。

【オリックス】
宗佑磨内野手:5試合11打数1安打0本塁打0打点、打率.091

 類まれな身体能力を武器に1軍で奮闘しているのが、「エンジョイ・ベースボール」が信条の宗だ。昨季は1軍デビューを果たし、3試合に出場したものの、4打席で3三振と悔しい結果に終わった。しかし今季は、ファームで存在感を示し、8月に1軍昇格。9月27日の北海道日本ハム戦では、外角低めの球を巧みに逆方向にはじき返し、プロ初安打を決めた。新進気鋭の逸材がその頭角を現してきたことは、来季の大きな楽しみの1つになる。

【福岡ソフトバンク】
松本裕樹投手:15試合2勝4敗、58回1/3、43奪三振、防御率4.78
栗原陵矢捕手:2試合2打数0安打0本塁打0打点、打率.000

 何といっても注目は、2014年のドラフト1位で入団した松本裕だ。昨年1軍デビューを果たし、今季は5月27日にプロ初の先発マウンドに上がった。4回1/3を投げて6失点と厳しい結果になったものの、6月3日の横浜DeNA戦では6回途中3失点と試合を作り、見事プロ初勝利を挙げた。その後は、中継ぎと先発両方の役割を果たしながら、ここまで15試合に登板している。もちろんまだ課題はあるものの、ドラフト1位としての輝きを随所に見出すことができるだろう。

 栗原は今季初めて1軍の舞台に立った。ファームで、捕手としては斐紹に次ぐ230打席に立ち、打率.271、3本塁打とパンチ力を発揮している。

「高卒3年目」と言えば、ルーキーではないとはいっても、まだ若手の域を脱していない。1軍に居場所を見出しつつある選手もいれば、ファームでじっくり鍛えられている段階の選手もいるだろう。チームという大きなものよりもまず、自分自身と向き合いながら、この世界で生き抜く術を学ぶ時期。それでも、いずれこの中から、球界を代表するスター選手が現れるかもしれない。無限の可能性を秘めた選手たちの将来に思いを馳せつつ、初々しさの抜け切らない彼らの奮闘を、あたたかく見守っていきたい。

【動画】オリックス宗、プロ3年目でうれしい一軍公式戦初ヒット

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