メジャーで粋な演出、控え選手が1試合全ポジション制覇、史上5人目の偉業

オースマス監督は2000年の偉業達成時に試合出場

 投手だった8回には、先頭で迎えたツインズ主軸サノをカウント3-1から85マイル(約137キロ)の速球で三ゴロに打ち取り、マウンドを本職リリーバーに託した。

「目立ちたがる男じゃない」と指揮官が語る控え選手に、“野球の神様”も微笑んだ。3-2とタイガース1点リードで迎えた9回裏2死、打者グラナイトが打ったゴロを一塁を守るロマインが捕球してベースを踏み、試合終了。この日のタイガース守備で最初と最後のアウトをロマインが記録する形になった。

 バート・カンパネリス(1965年9月8日)、シーザー・トバー(1968年9月22日)、スコット・シェルドン(2000年9月6日)、シェーン・ホルター(2000年10月1日)に続く史上5人目の偉業を達成したロマインに、敵地ファンはスタンディングオベーション。ロマインは「気付いてくれたと知って、少し涙目になっちゃった。敵地であんなことをしてくれるなんて、本当にスペシャル。感謝してもしきれないよ」と話したそうだ。

 17年前、タイガースだったホルターが1試合全ポジションを達成した試合に出場していたオースマス監督は、「ロマインにとって大きな意味を持ったに違いない」と偉業を達成しながら、3-2と接戦を制した試合を振り返ったという。

 公式戦ながら、縁の下の力持ちにスポットライトを当てた演出をしながら、なおも接戦で勝利。真剣勝負の中にも遊び心を忘れないメジャーの醍醐味が詰まった一戦となった。

【動画】1試合で全ポジション制覇、タイガースのロマインが遊撃で披露した華麗な併殺プレー

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