好評オリックスの選手プロデュースメニュー、選手のこだわりと調理長の思い

安達プロデュースの「アダッチ・フォー」に込められた調理長の思い

 1日10食限定で、通常メニューより豪華な内容の「プレミアム選手プロデュースメニュー」も販売されている。9、10月に販売されている吉田正尚外野手プロデュースの「正尚のAMAGING-DON」は2800円と割高だが、ここまで毎試合完売しており、早い時は10分ほどで売り切れる人気商品だ。毎月ボリュームたっぷりなプレミアムメニュー。4月に販売された金子千尋投手プロデュースの「ネコのG・R・B・D(ゴールデン・ロースト・ビーフ・丼)」に込められたこだわりについて、丸岡氏はこう話す。

「ローストビーフが300グラムほど乗っていたんですが、実際に試食した金子投手が食べきれず「『シェアして食べて下さい』と書いてください」と、メニュー表記にもリクエストがありました」

 数多くの選手プロデュースメニューの中で、特に女性に人気なのは、安達了一内野手プロデュースの「アダッチ・フォー」だ。昨シーズンも販売されたメニューを、安達自身が気に入った。「今シーズンもぜひ販売してほしい」という本人のリクエストを受け、急遽販売されることになったという。潰瘍性大腸炎を患っている安達だが、このフォーには、安達の体調を気遣う丸岡さんの思いが込められている。

「安達選手の体調を考え、昨年のものから具材を変え、体にいいと言われているクコの実を入れ、肉もささみを使用して、ヘルシーにしました。これは選手の要望ではなく、我々が考えました」

 選手たちがファンのことを考えたこだわりのメニューだけでなく、調理長が選手の体調に配慮したメニューも並んだ今シーズンの選手プロデュースメニュー。チームはイチローを擁して日本一に輝いた96年以来、12球団で最も優勝から遠ざかっているが、ファンは球場に足を運び、熱心に応援してくれる。そんなファンを喜ばせるためにも、来季も魅力的なメニューを提供していくつもりだ。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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