救援との双方での活躍は難しい―過去に50試合登板を経験した先発投手たち
攝津、牧田は救援のスペシャリストと先発を経験
50試合登板はもちろんのこと、最優秀中継ぎのタイトルを獲得し、なおかつ今季先発した投手となると、それは球界にただ1人しかいない。その投手とは、福岡ソフトバンクの攝津である。JR東北を経て、27歳でプロ入りした右腕は、1年目からなんと70試合に登板。全て救援として79回2/3を投げて、奪った三振は102個というインパクトのある活躍を見せ、文句なしの新人王に輝くと同時に、最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。
2009年にも71試合に登板し、チームの7年ぶりとなるリーグ優勝に貢献したが、2011年からは活躍の場を先発へと移すことになる。打たせて取る投球にシフトし、177回2/3を投じた右腕は、この年14勝を挙げる活躍を見せてチームの連覇、さらには3年ぶりの日本一の立役者の1人となった。2015年まで5年連続で2桁勝利を挙げ、投手陣の柱として君臨してきた攝津。しかし、昨季は開幕戦に登板したものの、2勝にとどまった。
再起を期して臨んだ今季、4月15日に今季初登板を果たすと、3試合目の登板となった5月6日の千葉ロッテ戦では4失点しながらも完投。その後の2試合は振るわず、5月25日に登録を抹消されたものの、9月24日の楽天戦で6回4安打2失点とさすがの投球を見せた。2012年には沢村賞を獲得するなど、抜群の成績を残してきた攝津は、35歳ながらまだ9年目。まだまだ活躍が見たい。
昨季は、北海道日本ハムの増井がシーズン途中に先発に転向、結果的に10勝を挙げてチームの日本一に大きく貢献した。また、埼玉西武の牧田も、ルーキーイヤーには主に抑えとして55試合に登板すると、翌年からは先発投手として2桁勝利を記録。昨季からは再びリリーフにその主戦場を移している。
先発、中継ぎとそれぞれ経験している投手は多くいるが、中でもシーズンを通してブルペンに控え、50試合に登板するタフな経験をした投手たちはそう多くない。先発として、その経験が生かされる投球が見られるか、彼らのピッチングに要注目である。