1年で平均球速10キロアップ、驚異の育成新星に2軍監督も絶賛「たまらない」

水上2軍監督も太鼓判「間違いなくいい素材」

 それを支えたのが、プロに入って本格的に始めたというウエートトレーニング。高校時代はほとんどやっておらず、ソフトバンク入団を機に取り組み始めたという。入団時は72キロだった体重は75キロにアップ。「もともとお腹が出ていたんですけど、それもひっこんだ」と見た目にも大きく変化した。さらには「入来さん、田之上さんが見てくれて、感謝の気持ちがある。そういうところが自分を伸ばしてくれたと思う」と、周囲への感謝の気持ちが、努力に結びついている。

 育成左腕の1年目での急成長には、周囲も驚くばかり。ウエスタンリーグでの3試合の登板を見た水上善雄2軍監督も「たまらないですね。間違いなくいい素材、1軍に通用する素材だと思います」と絶賛する。

「もともとは3年目の春くらいに支配下になるのが理想かなと思っていた。今は体をしっかり作るという目標がある。支配下にはもちろんなりたいですけど、少しずつやっていきたい」と語る長谷川宙だが、それよりも早い段階での支配下昇格も、十分に可能性を感じさせる。

 千賀滉大、石川柊太、甲斐拓也といった育成出身者が1軍で戦力となっているソフトバンク。松本裕樹をはじめ、高橋純平、田中正義と過去3年のドラフト1位右腕に加え、左腕でも、今季1軍デビューを飾った笠谷俊介、2016年ドラフト2位の古谷優人と好素材がズラリ。筑後の地で研鑽を積むダイヤの原石たち。その中の1人。未来の“投手王国”、そして”左腕王国”を担うかもしれない存在として「長谷川宙輝」にも注目してもらいたい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY