元MLB右腕が見る大谷の凄さ「クイックハンド」 “打者専念”で広がる夢
“二刀流”に注目が集まる中、あえて“打者推し”「ピッチャーでも見てみたいけど…」
今季本拠地最終戦となった4日オリックス戦に先発し、9回を2安打10奪三振5四球で完封勝利を飾った日本ハム大谷翔平投手。早ければ、今季終了後にもポスティングシステムを利用したメジャー移籍の可能性がある右腕の去就には、日本だけではなく、アメリカでも大きな関心が寄せられている。
先発登板するたびに、バックネット裏には数多くのメジャー球団のGMやスカウトが陣取るなど、早くからアピール合戦を展開。投手と野手の“二刀流”を容認する球団が大半だと噂されるが、実際にメジャー移籍を果たした時、どんな道を歩むのか。メジャーでは、かのベーブ・ルース以来の本格派二刀流として、前人未到の地を切り拓く可能性にも期待が寄せられる。
自らもメジャーでプレー経験を持つ元阪神の藪恵壹氏も、大谷の去就に大きな関心を寄せる1人だ。同じ投手として、時速160キロを超える剛球を投げる勇姿を、メジャーのマウンドで見てみたい。長らくそう思ってきたが、最近少し考えに変化が生まれたという。
「投手でやったら面白いと思っていたけど、メジャーで長いキャリアを送ることを考えたら、投手より打者に専念した方がいいのかなって思うようになりました。記録とかも含めてね。
もし仮に来年からメジャーに行くとしたら、24歳の年から行ける。15年プレーしたとしても38歳。怪我を少なく長くプレーできれば、イチロー選手の記録を超える可能性だって生まれるわけだから。長打も打てるんだから、上手くメジャーに順応できれば、ボンズやマグワイアの記録に挑戦できる可能性だってある。記録は積み重なるものだから、少しでも長いキャリアを送れることが大事ですよね。
もちろん、ピッチャーでも見てみたい。でも、あの滑るボールだと、どこかで肘を痛めたり肩を痛めたりする公算は高い。まずは二刀流をして、肩肘を怪我したら打者に専念すればいい、という意見も聞くけれど、怪我をした後で同じスイングができるかどうか。バッティングにも間違いなく影響は出ますから。そう考えたら、打者として記録を狙ってほしい気がするんですよ」