元MLB右腕が見る大谷の凄さ「クイックハンド」 “打者専念”で広がる夢
若くして打者に専念すれば、イチロー超えもある!?
藪氏自身が打者大谷と対戦するとしたら「嫌な打者。絶対に内に投げるよね」と笑う。それでは、投手の目から見た打者大谷は、何がすごいのだろう。それは「無駄のないスイング」にあるようだ。
「彼は手の動きが速いでしょ。いわゆるクイックハンド。変な遊びが少ないから、メジャーで主流のハードシンカー系の球にも、すぐに対応できるでしょう。
メジャーに行った日本人打者は、左打者の場合、特に外角のシンカーに苦しめられる。あれだけ成績を残した松井秀喜君もそうでした。松井君の場合、ボールをバットで捉えるポイントが前だったから、調子が悪い時は、シンカーにバットを上からかぶせて引っかけてしまい、二塁ゴロに倒れることが多かった。
でも、最近の打者は大谷君であれ、柳田(悠岐)君であれ、ポイントがより体に近い位置にあって、外角の球でも引きつけておいてしっかり打つから、反対方向に強い打球が飛びますよね。手も長いし、外角の球は問題なく届く。
日本人打者で成功したのは、イチロー君、松井君……青木(宣親)君も頑張っている。メジャーでコンスタントに打率.280を残すのは難しい。コンタクトするのが本当に上手い。大谷君は、場合によっては、3人を凌ぐ打者になる可能性がある。パワーもある。打率も残せる。足も速い。体はUSAサイズ。楽しみですよ」
確かに、24歳の若さでメジャーデビューをし、15年を超えるキャリアを送れるとしたら、打者大谷の未来予想図には無限の可能性が広がりそうだ。メジャー175本塁打を打った松井氏を超え、史上30人目のメジャー通算3000安打を打ったイチロー選手を超え、日本人という枠に囚われず、1人のメジャーリーガーとして新たな境地に足を踏み入れる可能性も秘められている。
今オフ、大谷は日本ハムにポスティング制度を利用したメジャー移籍を願い出るのか。まずは、その決断に注目が集まる。
(Full-Count編集部)