チームの低迷に苦しんだ2017年 ロッテ鈴木はこの悔しさも惜別も糧にする

ロッテ・鈴木大地【写真:編集部】
ロッテ・鈴木大地【写真:編集部】

2年連続Aクラス&開幕前のオープン戦勝率1位から最下位転落…

 今季リーグ最下位に沈み、苦しみ抜いた千葉ロッテ。昨季まで2年連続のAクラス入りを果たし、今年のオープン戦では圧倒的な強さで勝率1位に輝いたチームが、ここまで調子を落とすことを予想していた人はそう多くはなかったことだろう。

 野球は大掛かりなスポーツだが、ワンプレーで流れが変わる繊細な側面を持ち、ほんの少し歯車が狂うだけで敗者と勝者が入れ替わる。絶対的なものが少ないドラマチックさが野球の醍醐味で、同時に残酷なところでもある。今季の千葉ロッテは、そういう野球の恐ろしさを改めて思い知った。ここではその中で、キャプテンとしてチームを鼓舞し続けた鈴木大地内野手に焦点を当てる。

 鈴木大地という名前は、誕生年の前年、ソウル五輪男子100メートル背泳ぎで金メダルに輝いた鈴木大地氏にあやかってつけられたという。桐蔭学園高校から東洋大学に進学すると、主将として持ち前のキャプテンシーを発揮しながら、チームのリーグ優勝、全国制覇に貢献した。シュアな打撃と堅実な守備を評価され、2011年、ドラフト3位で千葉ロッテに入団する。

 即戦力内野手の前評判通り、1年目から62試合に出場。2年目はレギュラーに定着して、最終的にチーム唯一の全試合出場と、遊撃ベストナイン受賞を果たす。そしてその年のオフ、かつて「幕張のスピードスター」と呼ばれ、最年少盗塁王、日本球界歴代5位のシーズン206安打など、数々の大記録を打ち立てた西岡剛内野手(現・阪神)の背番号「7」を継承した。

「7」を背負って臨んだ2014年は、プロ3年目の24歳という異例の若さでキャプテンにも抜擢される。その資質を疑う声も年上の選手も多い中、誰よりも声を出し、模範となる姿勢を示し続け、グラウンド内外で奮闘。肝心のプレーでもチームを引っ張り、2年連続となる全試合出場を達成した。さらに打率も自己最高の.287をマークする。

 5年目となる2016年は、自ら呼び掛けてあるファンサービスを敢行した。それは試合勝利後にファンと一体となって行う「WE ARE」。拡声器を手にファンと勝利の喜びを共有するパフォーマンスは人気を博し、今やZOZOマリンスタジアムの名物にもなっている。

最終戦後にはチーム、ファン、指揮官への感謝の気持ちをインスタで綴った鈴木

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