試合開始直後から目が離せない 勝利を引き寄せる楽天茂木の先頭打者弾
体格は小柄も、スイングの早さは柳田や吉田正に匹敵!?
茂木が先頭打者ホームランを記録した試合は4勝2敗。CSで打った試合もともに勝っている。初回先頭ホームランは先発投手の出鼻をくじき、味方に勢いをつける強烈な一発なのだ。
今シーズンの茂木の第1打席の成績は、88打数32安打6本塁打の打率.364。初回に神経を集中させていることがわかる。盗塁数は1年目の11から3に減ったが、先頭打者としての責任は十分に果たしたと言えるだろう。
シーズン初回先頭打者本塁打のNPB記録は、2007年に現巨人監督の高橋由伸が記録した9本。8本を打った打者は6人いる。2007年の高橋は115試合で1番に起用されている。今年、84試合の1番打者起用で6本を打った茂木は、来季以降、この記録に迫る可能性があるだろう。
茂木は身長171センチ、体重75キロ。大型化が進んでいる最近のNPBでは最も小柄な部類に属する選手だ。しかし、スイングの速さはソフトバンクの柳田悠岐や、オリックスの吉田正尚に匹敵すると言われる。わずか2年で、先発投手が最も警戒する選手の一人になったのだ。
茂木の初回先頭打者本塁打もあって、楽天はCSファイナルステージの初戦をものにした。ソフトバンクに勝つにはあと3勝が必要だが、切り込み隊長・茂木が初回に働けば、勝利はぐっと近づくことだろう。試合開始直後の茂木から目が離せない。
(広尾晃 / Koh Hiroo)