短期決戦で重要な「今の戦力」、数字で見る苦戦ソフトバンクと広島の共通点
DeNAはほぼベストメンバー、一方の広島は…
セ・リーグはどうだろうか。投手を除く8人の安打数を比較したい。
セ・リーグ
○DeNA
1桑原 161安打
2梶谷 124安打
3ロペス 171安打
4筒香 143安打
5宮崎 155安打
6嶺井 30安打
7柴田 50安打
9倉本 133安打
合計 967安打
ベスト 1009安打(95.8%)
捕手を72安打している戸柱から30安打の嶺井に変えただけ。他はほぼベストメンバー。シーズンと同じ顔ぶれで戦っている。95.8%という高い比率が戦力の充実ぶりを物語っている。
○広島
1田中 164安打
2菊池 153安打
3丸 171安打
4バティスタ 32安打
5松山 114安打
6エルドレッド 91安打
7西川 56安打
8石原 30安打
合計 811安打
ベスト 1031安打(78.7%)
広島は大黒柱で131安打した4番の鈴木誠也を怪我で欠き、128安打の三塁手・安部友裕も右ふくらはぎの死球で欠場、西川龍馬を使った。戦力はベストメンバーの78.7%にとどまっている。
これらは端的な数字の比較ではあるが、両リーグともにレギュラーシーズンを圧倒的な打線で勝ち抜いた1位チームが、ベストナインを組めないために苦戦していることがよく分かる。
レギュラーシーズンは総力戦であり、分厚い戦力を持つ方が有利だが、短期決戦は「時価」の戦いであり、「今使える選手」が多い方が有利だ。楽天、DeNAは、ともに2位チームを下して這い上がってきた3位チームだが、「時価」での戦力では1位チームを上回っていると言えそうだ。
数字を見る限り、ソフトバンクと広島は、今後も苦戦することが予想される。
(広尾晃 / Koh Hiroo)