楽天2本柱で連敗、継投裏目で崖っぷち 梨田監督、岸交代は「しんどそうだった」
2番手の宋が2者連続被弾「スパッと代えたんだけど…」
下克上を狙う楽天が崖っぷちに追い込まれた。21日、ヤフオクドームで行われたソフトバンクとのクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージ第4戦。連勝スタートを切った楽天だったが、6回に2番手・宋家豪(ソン・チャーホウ)が2本のソロを浴びて3-4で敗戦。則本、岸の2本柱を立てた試合で連敗し、一転して窮地に立たされた梨田昌孝監督は「ファーストステージでもみんな投げている。疲れはあるかも分からないけど、何とか頑張らないと。後がないから」と険しい表情を浮かべた。
先発の岸は2回に先制点を許すと、3回にもデスパイネに一発を浴びて立て続けに失点した。追う展開となったが、打線が一度は試合をひっくり返した。4回に銀次のソロ、相手バッテリーのミスで同点に追いつくと、5回には2死一、二塁からウィーラーが右翼線への適時二塁打を放って勝ち越しに成功。リードを奪った。
だが、継投が裏目に出た。「岸もちょっとあっぷあっぷの状態だったので、内川からのところで宋で、と思っていったんだけど」と指揮官。5回で92球を投げていた岸を降板させ、6回から宋家豪を2番手で送り込んだが、これが誤算だった。
先頭の内川に真っ直ぐを左翼スタンドへと運ばれ、CS史上初の4戦連発となる同点ソロ。さらに続く中村晃にも真っ直ぐを右翼スタンドへ。こちらは2戦連発。2者連続となるソロで勝ち越され、宋は1アウトも取れないままにノックアウトされた。
岸降板の理由を「球数とかよりも、ちょっとボールも先行して、しんどそうなところだったので、スパッと代えたんだけど」と説明した梨田監督。秘密兵器として期待し、第2戦では内川らを三振に抑えていた宋家豪については「宋もいいピッチングをしてくれていたのでね。両方もったいない。真っ直ぐを狙われたかもしれないけどね。スライダー、スライダーで入ったりはしてたけど」と語った。
初戦、2戦目と連勝して勢いづいたはずが、則本、岸の2本柱を立てた3戦目、4戦目でまさかの連敗。ソフトバンクに与えられたアドバンテージを含めて2勝3敗となり、日本シリーズ進出に王手をかけられてしまった。「そういうの(後が無い状況)は何回か経験しているので、何とかみんなでやっていきます」と梨田監督。窮地に立たされた狗鷲は、踏みとどまれるだろうか。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)