ペナントレースとCSは別物!? CSを得意とするエース、不得意とするエース
エース級ながらCSで奮わなかったのは…
こうした投手がいる一方で、エース級ながらCSで全く奮わなかった投手もいる。
その代表格が、ダイエー、ソフトバンクのエースで、沢村賞を2回も受賞した斉藤和巳だ。プレーオフ初年の2004年に第2ステージで先発したが、5回を自責点6で敗戦投手。以後2005年の第2ステージ、2006年の第1、第2ステージ、2007年のファーストステージと4度先発したが、すべて黒星。通算では5試合で0勝5敗、31.2回を投げて防御率4.55だった。
同じくソフトバンクと巨人でエースとして活躍した杉内俊哉は、CSでは13試合に登板しているが2勝5敗、防御率4.48。
巨人の内海哲也は10試合に登板して、1勝4敗、48.1回を投げて防御率3.72、中日のチェンは6試合で1勝4敗、33回を投げて防御率4.09、そして岸も4敗組だ。
相性の問題もあるだろう。たまたまコンディションが悪い中で登板し、黒星がついたことがきっかけで苦手意識が生まれ、黒星を増やす投手もいると思われる。
短期決戦ではレギュラーシーズンの実績は、あくまで「参考」である。指揮官はCSを得意とする選手をいち早く見つけ、積極的に起用することが求められるだろう。
(広尾晃 / Koh Hiroo)