スカウトの腕の見せどころ!? 今季活躍した“掘り出し物”ルーキーたち
○オリックス5位 小林慶祐(日本生命)
35登板 2勝1敗1ホールド 防御率3.98
シーズン中盤から1軍に加わり、主にビハインドの展開での登板が主だったものの、35試合に登板した。9月18日の日本ハム戦(札幌D)では4回2/3のロングリリーフもこなした。9月30日のソフトバンク戦(京セラD)で、2番手として登板し、6回に打球が頭部を直撃。救急搬送するアクシデントに見舞われた。脳や骨への異常はなく、右瞼の上部の打撲と裂傷で8針を縫合。10月1日に静養のために出場選手登録を抹消されており、来季以降の活躍が期待される。
○ロッテ5位 有吉優樹(九州三菱自動車)
53登板 2勝5敗16ホールド1セーブ 防御率2.87
地元千葉の東金高校から東京情報大学、九州三菱自動車を経て、ロッテに加わった右腕。5位指名ながら即戦力として期待され、キャンプから1軍入りを果たすと、開幕1軍の切符も掴んだ。低迷するチームにあって、大谷や内、松永とともに勝ちパターンの一角を任されることもあり、チーム3位の16ホールドをマークした。ルーキーながら1年間1軍でプレーし、53登板は大谷の55登板に次ぐ2位。来季以降もチームの中心として期待される右腕である。
○阪神5位 糸原健斗(JX-ENEOS)
66試合 打率.259 1本塁打 24打点 1盗塁
春のキャンプで1軍に抜擢されると、開幕1軍入りも掴んだ。主に内野の控えとして途中出場が多かったものの、4月13日のDeNA戦(横浜)でプロ初スタメン。北條の不振もあって徐々にスタメンの機会を増やしたが、7月19日の広島戦(マツダ)で右膝を負傷。右膝内側側副靭帯の損傷で長期離脱となったが、DeNAとのクライマックスシリーズ・ファーストステージで復帰し、メンバー入りを果たした。
このように見渡してみると、下位指名にもかかわらず、1年目から活躍している選手は、やはり社会人出身者が多い。2017年のドラフトからも、各球団で指名された社会人選手の1年目には注目だろう。
ただ、ドラフトの真の成果は、1年目だけでなく、5年、10年経ってから分かるもの。広島の4位・坂倉将吾捕手(日大三高校)、オリックスの4位・山本由伸投手(都城高校)、DeNAの5位・細川成也外野手(明秀日立高校)、ソフトバンクの2位・古谷優人投手(江陵高校)、中日の3位・石垣雅海内野手(酒田南高校)、ヤクルトの3位・梅野雄吾投手(九産大九州高校)といった高卒ルーキーや、中日の4位・笠原祥太郎投手(新潟医療福祉大学)、巨人のドラフト2位・畠世周投手(近畿大学)、日本ハムの4位・森山恵佑外野手(専修大学)など将来性が見込まれている選手も数多くいる。5年後、10年後、どれだけの選手がチームの中核を担っているか。若者たちの未来が楽しみだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)