最速155キロも目指すは「軟投派」 ドラフト上位候補右腕が掲げる理想とは

目指すは“カメレオン”のような投球―

「冬はストレートに磨きをかけ、春のリーグ戦に臨んだ。球速も上がり、質もよくなったけど、インコースを突いたり、繊細なコントロールをつけたり、押し引き、力の強弱の段階までは完成できませんでした。力で押す方向が強くて、テンポよくというゲーム運びができなかった。150キロは超えていたけど、後半にバテました」

 春に出た課題を夏場に修正した。150キロ台の直球をどうやったら生かせるか。また、多彩な変化球もどうやって生かすか。真正面から向き合えたのは、未来も考えてのことだ。

「僕が上で野球をやっていくということを考えたら、いろんな状況に対応できないと勝てる投手にはなれないかなと思った」

 試合は常に生きている。動いている。対戦するチームも変わるし、対策も取られる。そうした中で勝つことを求められる。

「満塁だろうが、一塁に足の速いランナーがいようが、いろんな状況が考えられる中で、ピッチングに変化を付ける。いろんな配球ができたり、フォームも早くしたり、遅くしたり。カメレオンではないですけど、そういうピッチャーがいいかなって思って」

 カメレオン――。仙台大と同法人の明成高男子バスケットボール部が駆け出した頃、佐藤久夫ヘッドコーチは変幻自在の「カメレオン・バスケット」を掲げていた。その後、明成高男子バスケ部はウインターカップ3連覇やインターハイ優勝など強豪に成長。変化に強く、状況に応じられる者は強い。

スピードガンとの勝負は“卒業”、「9回を27球で終わらせるのがテーマ」

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