1年で球速10キロ増&150キロ超え 急成長でプロ注目、ドラフト待つ18歳の選択

独立リーグでの成長に「感謝」、NPBで尊敬してもらえるピッチャーに」

「1軍で活躍しているピッチャーは、体が違います。1年間怪我をしないでローテーションを守れる体力が必要だと思います。正直、切り詰めなきゃいけないところもありますが、実家がお米を送ってくれるので、お米だけ炊いておかずを買っています。サラダやヨーグルトなど、買うものは考えています」

 内野手として巨人や中日で活躍後、西武や楽天などでコーチを歴任、今シーズンから徳島でヘッドコーチを務める鈴木康友氏は「高校3年までは140キロ前後までしか出なかったですが、入団後数か月で10キロ以上球が速くなった。筋肉を伸ばし、体幹を鍛えるなど、プロに入って専門的なトレーニングが上手くいったからだと思います。体も大きくなっている。これからまだまだ伸びていくと思いますよ」と、太鼓判を押す。

 これまでの自身の最高成績は、横芝敬愛高3年夏の3回戦。大きな優勝の経験がなかったが、今シーズンは独立リーグ日本一をかけた信濃グランセローズとのグランドチャンピオンシップ第2戦と第4戦に先発、1勝0敗とエースとしての役割を果たした。チームも見事独立リーグ日本一に輝き、シーズンを最高の形で締めくくった。伊藤は「日本一を決める試合で投げさせてもらったことに感謝している」と話し、高校生の時は遠かったNPBに近づけたと手応えを感じている。

「球速、変化球の切れなど、自分にしかできない、尊敬してもらえるピッチャーになりたい」と話す表情には、18歳とは思えない逞しさを感じた。夢であるNPB入りを4年間待てないと進んだ独立リーグ。「やれることはやってきた」と胸を張る右腕は、1年目でその夢を叶えることができるのか。ドラフト当日が楽しみだ。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

RECOMMEND