運命のドラフト、12球団の補強ポイントを独自分析 果たして1位指名は?

松田、内川の後継者が求められるホークス

◯巨人

 チーム防御率はリーグ2位の3.31。先発、リリーフともに投手陣はそれなりの戦力がある。マイコラス、マシソン、カミネロと外国人に頼ったところがあり、彼らが抜けた場合の不安は残るが、やはり弱いのは打線だろう。チームの中心は軒並み30歳を超え、明らかに高齢化が進んでいる。坂本に続く若い野手が全く育っていない現状にあり、スター性もある清宮を是が非でも獲得したいのではないか。一塁には阿部がいるが、来季で39歳になる。清宮はポスト阿部にうってつけだ。オフにベテランの村田を放出して若手への転換を模索。三塁が空き、安田という選択肢も出るが、期待されながら、伸び悩んでいる岡本をここで使いたいところ。

◯中日

 投打ともに、層は薄いと言わざるを得ない。補強ポイントが山積しており、正直、1度のオフで全てを補うことは難しいのではないか。ただ、投手には大野、又吉といった主力がおり、小笠原、鈴木、笠原といった若手投手が徐々に成長してきている。となれば、やはり欲しいのは打者。ナゴヤドーム観客動員の落ち込みが激しく、営業面を考えても、観客の呼べる清宮が欲しいところだろう。現有戦力を考えると、来季の優勝を狙うというよりも、3年、5年後を見据えたドラフト戦略をとってもいいのではないだろうか。

◯ヤクルト

 中日とともに投打ともに戦力の底上げは必要だ。ただ、野手は今季、山田が不振に陥り、また、畠山、川端、雄平といった主力どころに怪我人が相次いだところにも低迷の要因がある。それ以上に足りないのは投手。今季ローテを担った小川、星が右肘を疲労骨折し、オフに手術を受けた。先発候補はブキャナン、石川、原、山中、由規あたりだが手薄な感は否めない。本拠地・神宮のスターとして清宮が候補に挙がっているようだが、現実的に必要なのは野手よりも投手だろう。ウエーバー順はロッテに次ぐ2番目だけに、即戦力の2枚獲りも可能。その戦略も問われる。

【パ・リーグ】

◯ソフトバンク

 今季94勝を挙げて独走Vを飾ったチームに大きな穴は見当たらない。チーム編成全体において補うべきところは、3年後、5年後にチームを背負って立つことが出来る野手となるだろう。遊撃に今宮がおり、二塁のレギュラー候補は豊富。捕手は甲斐が台頭し、栗原、九鬼という若手2人もいる。外野のレギュラーもみな20代である。となると、34歳の松田の三塁、35歳の内川の一塁の後継者が、いま最もチームに必要な人材である。王貞治球団会長の後輩にあたる早実・清宮のドラフト1位入札が濃厚だが、三塁手の履正社・安田も面白い存在。ここ数年の傾向同様に、将来性重視の高校生中心の指名となるだろう。

◯西武

 ペナントレースで2位に入ったものの、CSファーストステージで楽天に敗れ、日本一の可能性が消滅した。パ・リーグナンバー1の攻撃力がある一方で、投手力が弱いと言わざるを得ない。ドラフトでは即戦力の投手を取りたいところ。エースの菊池が16勝を挙げているが、2桁勝利が11勝の野上と2人だけ。高橋光、多和田といった若い力はいるものの、どれだけ勝てるか未知数で、絶対的に先発投手の枚数が足りない。パ・リーグを制したソフトバンクとはそこに明らかな差があった。即戦力の先発投手を補っていきたいところで、田嶋や鈴木といった社会人投手が1位候補になるのではないか。

楽天、オリックス、日本ハム、ロッテは…

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