日本シリーズのカギは「1番中堅」ホークス柳田、DeNA桑原の働きを比較
DeNA不動の1番・桑原は14打数ノーヒットと調子に乗れず
ソフトバンクの1番は、クライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージ第5戦で右脇腹の肉離れから電撃復帰した柳田悠岐が務めている。シーズン中は3番、そして内川離脱後は4番に入っていた柳田だが、リードオフマンとして、とてつもない働きをしている。
CSファイナルステージ第5戦で復帰初打席でいきなり内野安打を放って、先制のホームを踏んだ。日本シリーズでも第1戦は中前安打、第2戦は右前安打、そして、この日の第3戦も右前安打を放ち、3戦全てで初回に生還して先制点を挙げている。
73勝9敗。シーズン中、先制した試合でこれだけの成績を残していたソフトバンクにとって、初回に先制点を挙げれば大きく勝利に近づくことになる。このシリーズで柳田は12打数5安打の打率.417をマークし、5得点、3打点。勝利への道筋をつけているのは、1番の柳田のバットに他ならない。
かたや、DeNA不動のリードオフマンである桑原将志は、この日本シリーズで大苦戦を強いられている。3連敗となった31日の第3戦を終えて、14打席ノーヒットで6個の三振を喫している。
29日の第2戦では、5回無死一、三塁で打席に立ったが、遊ゴロ併殺崩れで1打点を挙げたのみ。第3戦は1打席目に四球で出塁したものの、盗塁に失敗。1点差に迫り、なおも2死満塁で迎えた6回は、痛烈な打球が右翼の正面を突き、9回1死でサファテから放った右翼への大飛球は、ポールのわずか右を通過するファウルとなった。いい当たりも結果に結びつかない流れの悪さ。桑原の不振が、チームの勢いを半減させてしまっている。
王手をかけたソフトバンクは、この勢いで柳田が役割を全うしてほしいところ。後がなくなったDeNAは、シーズン143試合に「1番・中堅」でフル出場した桑原の奮起、復調に期待したい。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)