対照的なホークスとDeNAが接戦、熱戦、激戦――日本シリーズを振り返る

内川の起死回生の一発から日本一を決めたソフトB

【11月2日 第5戦 横浜スタジアム】
◯横浜DeNA 5-4 ●福岡ソフトバンク(バンデンハーク-石田)

 横浜DeNAが崖っぷちから踏み止まったものの、依然福岡ソフトバンクが日本一に王手をかけた状態で臨む第5戦。内川の適時二塁打で先制に成功し、先発のバンデンハークも好調な滑り出しだった。筒香の2ランで横浜DeNAが勝ち越すが、中村晃の逆転弾ですぐさまリードを取り返す。そのまま試合は福岡ソフトバンクペースになるかと思われたが、筒香と宮崎の連打で横浜DeNAが同点に追いつくと、福岡ソフトバンクの適時失策で逆転。そしてわずか1点のリードを守護神・山崎康が回を跨いで守り抜き、横浜DeNAが競り合いを制した。横浜で雌雄は決せず、戦いの舞台は福岡へ。

【11月4日 第6戦 ヤフオクドーム】
◯福岡ソフトバンク 4-3 ●横浜DeNA(東浜-今永)

 連日見応えのある接戦が繰り広げられ、第6戦までもつれ込んだ日本シリーズ。松田の一発で福岡ソフトバンクが先制に成功するが、白崎の同点弾、ロペスの適時打で、横浜DeNAが2点のリードを握る。柳田のゴロで福岡ソフトバンクが1点差に迫るも、そのまま試合は最終回へ。逃げ切りたい横浜DeNAは当然、山崎康を投入。しかし、この土壇場で内川が起死回生の同点弾を放った。スコアは3-3となり、試合は延長戦へ。互いに一歩も譲らず、頂上決戦に相応しい緊迫の展開が続く。終止符を打ったのは、福岡ソフトバンクの川島だった。11回裏、2死一、二塁の場面で、値千金のサヨナラ打。この劇的な勝利によって、福岡ソフトバンクが2年ぶりの日本一に輝くこととなった。

 以上、今回の日本シリーズの熱戦を簡単に振り返った。絶対的守護神として君臨し、第6戦で3イニングスを投げた福岡ソフトバンクのサファテは、日本シリーズMVPに選出。優秀選手には福岡ソフトバンクの柳田、内川、横浜DeNAの濱口、敢闘選手には横浜DeNAの宮崎が選ばれている。

 今回、セ・リーグCS覇者の横浜DeNAは、ファーストステージから這い上がってきたため、12球団で最も多くの試合を戦うことになった。過去の対戦成績や、その疲労を考慮すれば、今シリーズでは福岡ソフトバンクが優位に立っているという見解に至るのも致し方ないことだっただろう。しかし、蓋を開けてみれば、初戦以外はどちらが勝ってもおかしくない接戦、熱戦、激戦だった。

 巨大戦力を擁し、堅守を誇る福岡ソフトバンクと、新進気鋭の選手が多く、深謀遠慮を得意とする横浜DeNA。対照的な2チームの頂上決戦は、それぞれのチームと選手1人1人に得難い経験と学びをもたらしたことだろう。戦いが終わったばかりの今はただ2チームの健闘を称え、見応えのある6試合を見せてくれたことに感謝したい。この歓喜と悔しさを等しくチームの糧として、来季もまたこの大舞台を目指して戦ってほしいものだ。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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