今季DeNAルーキーも圧巻投球 サウスポーの過去20年日本シリーズ快投録
2000年の日本Sで快投劇を見せたGルーキー高橋尚
【2000年】
◇高橋尚成(巨人)第5戦対福岡ダイエー(福岡ドーム)6-0完封○9回123球2安打無四球12奪三振無失点
「老獪さ」と「肝っ玉」。大型補強に成功した巨人で開幕先発ローテーションの枠を勝ち取り、新人離れしたマウンドさばきを披露していた高橋が、日本シリーズデビュー戦でそれまでとは別の姿を見せつけた。低めからさらに低く沈むシンカーを武器に、右打者を6人(両打ちも1人)並べた福岡ダイエー打線を寄せ付けず、終わってみれば散発の2安打のみ。シーズン最多でも7奪三振だった技巧派レフティーが12個の三振を記録し、ルーキーでは初のシリーズ完封勝利、史上14人目となる無四球でのゼロ封で球史に名を残した。
【2001年】
石井一久(ヤクルト)第1戦対大阪近鉄(大阪ドーム)7-0先発○8回143球1安打5四球12奪三振 無失点
石井一が大舞台で無類の強さを発揮するイメージを確固としたゲームだったのかもしれない。シーズン中と同様に四球でランナーを出しながらだったが、速球とスライダーの切れ味が抜群で打たれたヒットは7回の単打1本だけだった。特にシーズンタイ記録となる55本塁打をマークしたローズから2三振を奪い、46本塁打を放った中村紀洋を3打席連続三振に仕留めるなど(水口栄二には2四球)、211発打線をものともせず。4年ぶりの日本一を置き土産に、プロ野球史上屈指の奪三振マシーンはメジャーリーグへ挑戦する。
【2003年】
☆杉内俊哉(福岡ダイエー)第2戦対阪神(福岡ドーム)13-0先発○8回106球5安打無四球5奪三振無失点
交流戦がなかった当時、杉内は決め球のカーブを交えながら、オープン戦でも対戦がなかった阪神打線のタイミングをうまく外すピッチングで手玉に取る。初回、4回、5回は先頭打者にヒットを打たれたが、いずれも無失点で切り抜けた。味方の大量援護もあって余力を残したまま8回限りで降板すると、チームが先に王手をかけられて迎えた第6戦でも7回1失点の投球で勝ち投手に。先発で2勝を挙げる活躍を見せてシリーズMVPに選出された。ちなみに、この年の日本シリーズは7試合いずれもサウスポーに白星がついている。