今季DeNAルーキーも圧巻投球 サウスポーの過去20年日本シリーズ快投録
好勝負となった2011年の和田VS和田
【2011年】
和田毅(福岡ソフトバンク)第1戦対中日(ヤフードーム)1-2先発8回119球2安打2四球8奪三振1失点
和田が演じた4回までのパーフェクト、6回までのノーヒッターを幻に変えたのは、いずれも中日の和田一浩だった。同姓の2人はともに前年のシーズンMVPに輝き、ポジションは投手と野手で別ながら、磨き上げた技術を売りとする職人だ。1点を追う5回に四球を選んでチーム初の走者となった和田は、7回に試合を振り出しに戻すソロホームランをレフトスタンドまで運ぶ。シーズン防御率1.51の和田が失った点はこれだけだったが、相手先発の左腕チェンも1失点のみ。試合は延長戦に突入し、まずは中日が先手を取る。
【2012年】
☆内海哲也(巨人)第1戦対北海道日本ハム(東京ドーム)8-1先発○7回104球2安打無四球8奪三振無失点
両チームがシリーズ初戦のマウンドに上げたのは、ともにシーズン防御率1点台のサウスポーだった。2年連続で最多勝を獲得した巨人の内海と、防御率のタイトルを獲得してリーグMVPにも選ばれた北海道日本ハムの吉川光夫。シーズン成績こそ大差なかったが、この試合の投球結果は、すでに投手陣のリーダー格だった前者と初のフルシーズンを送った後者の実績ほどに違う。ともに無四球も、内海は7回を被安打2、吉川は4回で被安打7、4失点と明暗。内海は第5戦にも8回2失点で勝利投手となり、シリーズMVPに輝いた。
今年、圧倒的な強さでリーグを制し、日本一に返り咲いた福岡ソフトバンクにとっても「初見のサウスポー」は非常に打ちづらそうに見えた。DeNAのファンが次に期待するのは、今年のドラフト1位指名選手である東克樹投手が日本シリーズで快投を演じる姿だろうか。一方の福岡ソフトバンクも和田以外の先発左腕が必要となってくることは言うまでもない。2018年の日本シリーズでも左腕が躍動する姿が見られるか。来年の日本一決定戦出場を夢見る権利は12球団それぞれのファンにある。
(「パ・リーグ インサイト」藤原彬)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)