メジャーで日本人野手絶滅危機!? イチロー、青木がFAで来季ゼロの可能性
ピークは2008年、内野手、外野手、捕手で合計8人がプレー
2008年には8人ものNPB出身日本人野手がプレーした。捕手、内野手、外野手とポジションも多岐にわたっていた。
しかし、これをピークにその数は減っていく。その大きな理由の1つは、MLBで実績を上げられない選手が多かったことにある。
千葉ロッテから2011年にミネソタ・ツインズに移籍した西岡剛は、在籍2年での出場はわずか71試合。2年目は3試合しか出場せず、ほぼマイナー暮らしだった。また、西武ライオンズから2013年にアスレチックスへ移籍した中島裕之(現宏之)は、MLBに昇格できず2年間マイナーでプレーした。
こうしたこともあって、MLB側のNPB野手への評価が下がったことは否めない。
また、NPB側も野手のMLB挑戦に慎重になった。糸井嘉男、鳥谷敬などが一時期MLB挑戦を表明したが、結局、NPBにとどまった。
日本人野手のMLB挑戦は2013年の田中賢介を最後に途絶え、昨年までは3人、そして今年はイチロー、青木宣親の2人になっていた。
今オフにMLB挑戦を表明したNPB日本人野手は、現時点ではいない。イチローと青木がFAになったことで、最悪の場合、来季の日本人MLB野手はゼロになる可能性がある。
メジャー志向が強い清宮幸太郎は、将来的にはMLBに移籍する前提で日本ハムに入団すると見られている。しかし、清宮が順調に成績を上げてMLBに挑戦する頃には、MLBに日本人野手は1人もいない状況になっているかもしれない。
今季、MLB挑戦が確実視される日本ハムの先輩、大谷翔平は打者としての期待もあるが、それとは別に日本人MLB野手の系譜も続いてほしいものだ。
このままでは、イチローで始まったNPB野手のMLB挑戦は、イチローとともに1つの区切りを迎えることになりかねない。
(広尾晃 / Koh Hiroo)