5球団競合で入団も苦闘の日々 鷹ドラ1田中正義の今 語った胸中「3か月が勝負」
「もっともっと上に」―、言葉の端々ににじむ危機感
田中のフォームといえば、テークバックが大きく、体から離れたところを手が通ってきた印象が強い。それが、この日見る限りではトップの位置でボールを握った手が体、頭の近くにおさまるようになっていた。
「良くなってきていると思います。そこを意識しているわけではないですけど、変えなきゃいけないのは間違いないので。フォームだけじゃなく、いろいろと成長しないといけないので」
自分自身、このままではいけない、変わっていかなければいけないとの思いが強いのだろう。発する言葉の端々に危機感、悲壮感がにじみ出ていた。
「来年、本当にアピールしまくるしかないですね。実質、1軍のローテはほぼ埋まっているわけなので。そこに入っていくっていうのはどういうことなのか、と。あと3か月が勝負だと思っています」と語る田中。ブルペンで見ていて感じたのは、右腕がしっかりと投げ切れたボールはやはり一級品で、エゲツないボールであるということ。それがどれだけ高い精度で出せるようになるか。
「もっともっと上に。投げるボールもまだ上がっていくと思うので」――。
そのポテンシャルは間違いない。覚醒の時を、多くの人が待ちわびている。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)