大谷翔平のメジャー挑戦が正式決定 日ハムがポスティングの利用容認を発表
都内で会見開き発表、栗山監督は「翔平ももっともっと前に進まないといけない」
日本ハムの竹田憲宗代表取締役社長、栗山英樹監督が10日、都内で記者会見を開き、大谷翔平投手のポスティングシステム(入札制度)によるメジャー移籍を容認することを明かした。現在失効中のポスティングシステムが新たに締結されることが条件とはなるが、二刀流右腕のメジャー挑戦がこれで正式に決まった。
竹田社長は会見で「本人と本日会談を持ち、来シーズンからMLBに活躍の舞台移したいと言われた。ファイターズはポスティングシステムの利用を承諾する」と明言。さらに、入団時から大谷を指導し、柔軟な起用法で唯一無二の二刀流プレーヤーとして才能を伸ばしてきた栗山監督も「翔平ももっともっと前に進まないといけない。そういうけじめの日になった」と話した。
大谷は花巻東高時代に1度は高卒での米球界挑戦を表明したものの、日本ハムがドラフト会議で1位指名。二刀流起用などを提案し、入団を実現させた。
プロ入り後は常識を覆す活躍を続け、2015年には15勝、勝率.750、防御率2.24で投手3冠を達成。さらに、2016年は日本最速記録を更新する165キロをマークするなど、投手として10勝4敗、防御率1.86、打者として打率.322、22本塁打、67打点と投打で圧巻の成績を残して日本一に貢献し、シーズンMVPにも選出された。
メジャーの新労使協定のもとでは、米国外から移籍する24歳以下の選手の契約金は制限され、ルーキー選手と同様にマイナー契約で入団することになる。球団に6年間の保有権があり、それまではFAにもならない。2年後にメジャー挑戦すれば、総額3億ドル(約340億円)規模の契約を手にすることも可能と言われていたが、大谷は夢を選んだ形だ。FA市場でトップ級の実力者ながら、破格で契約が可能とあって、全30球団による空前の大争奪戦になるとも予想されている。大谷はすでに米国代理人としてCAAのネズ・バレロ氏と契約。大谷自身の意見を反映しながら、折衝に臨む。
また、現在、日米間のポスティングシステムは失効中だが、現行の制度を1年間継続することで大筋合意したと、一部米メディアが報じている。当初は、メジャー球団が選手の契約総額の15%を旧所属球団に支払う案が浮上していたが、これは来年以降に導入される見通し。これまでと同様、旧所属球団が決められる譲渡金を上限2000万ドル(約22億7000万円)に設定し、支払う意思のある全てのメジャー球団と交渉が可能になる見込みとなっている。
メジャーリーガー大谷誕生へ。いよいよ“大谷狂騒曲”が幕を開ける。
(Full-Count編集部)