世界一アストロズは現代版マネーボール!? 米メディアがデータ活用術を分析

「“ソフトな”データと“ハードな”データをどのように統合するか」

 だが、データ解析システムを導入するだけでは、どのチームにも同じことを真似られてしまう。アストロズがなぜ世界一を手に入れられたのか。記事では、Dell EMC社のシュマーゾCTOの見解として「アストロズは“ソフトな”データと“ハードな”データをどのように統合するかを見い出した」と結論づけている。

 ここで言う「ハードなデータ」とは、セイバーメトリクスで示される成績や数値のこと。一方で「ソフトなデータ」とは、数字では表せない選手個々の「回復力、粘り強さ、心の強さ、対人力」といった情報だ。コンピュータが弾き出す結果だけで選手を紋切り型に扱うのではなく、そこに人間の感覚でもある「ソフトなデータ」を上手く織り交ぜたことで、アストロズは世界一のチームを築くことができたのだという。

 さらに、アストロズはスプリンガー、カイケル、コレア、ブレグマンら、ドラフトで獲得した生え抜き若手選手と、アルトゥーベやグリエルら海外選手を上手く統合し、より低年俸で世界一チームを実現させた。これについて、サンフランシスコ大学助教授で分析コンサルタントを務めるメヘロートラー氏は、2000年代前半のアスレチックスを引き合いに出し「『マネーボール』に似ている」と指摘したそうだ。

 データと人間の感覚を織り交ぜ、比較的低予算で最強チームを作り上げたアストロズは、まさに「現代版マネーボール」なのかもしれない。

(Full-Count編集部)

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