パのゴールデン・グラブ賞をデータで検証…意外、順当、選出あれこれ

捕手はホークスの強肩・甲斐が受賞

〇捕手 守備率に加え、盗塁阻止率(SB%)とパスボール数(PB)を出す。守備率順。

甲斐拓也(ソ)102試 守率0.999 SB% .324 PB3
高谷裕亮(ソ)92試 守率0.998 SB% .194 PB2
炭谷銀仁朗(西)104試 守率0.997 SB% .327 PB6
田村龍弘(ロ)130試 守率0.996 SB% .337 PB6
伊藤光(オ)93試 守率0.996 SB% .323 PB3
嶋基宏(楽)112試 守率0.996 SB% .289 PB3
大野奨太(日)80試 守率0.995 SB% .098 PB3
若月健矢(オ)99試 守率0.992 SB% .255 PB2

★ゴールデン・グラブ賞 甲斐拓也(ソフトバンク)

 捕手の失策は得点に結びつくことが多い。守備率は重要視したい。そして盗塁阻止率も重要だ。今季のパ・リーグには阻止率が.350を超える捕手がなく、やや低調だった。甲斐は高谷と併用されたが、守備率も高く、盗塁阻止率もまずまずで、順当な選出ではないか。気になるのは日本ハムの大野。盗塁阻止率が1割以下で走られ放題だった。投手の問題もあろうが、FA宣言をする中、懸念される数字だ。

〇投手 守備率とRFを出す。規定投球回数以上。RF順。

菊池雄星(西)26試 守率.963 RF2.00
有原航平(日)25試 守率.979 RF1.88
涌井秀章(ロ)25試 守率1.000 RF1.68
則本昂大(楽)25試 守率.974 RF1.52
二木康太(ロ)23試 守率.971 RF1.48
美馬学(楽)26試 守率.878 RF1.38
金子千尋(オ)27試 守率.974 RF1.37
山岡泰輔(オ)24試 守率.969 RF1.29
岸孝之(楽)26試 守率1.000 RF1.27
東浜巨(ソ)24試 守率.966 RF1.17
千賀滉大(ソ)22試 守率.962 RF1.14
野上亮磨(西)24試 守率.962 RF1.04
バンデンハーク(ソ)25試 守率.960 RF0.96

★ゴールデン・グラブ賞 菊池雄星(西武)

 投手のゴールデン・グラブ賞は数字だけでなく、見た目の印象、反応の良さやフィールディングなどで評価されることが多い。また投手成績が良い選手が選出されることが多い。西武の菊池はRFも1位、野手として多くの打球を処理した。投手成績も抜群だったが、文句なしの選出ではないか。

 ゴールデン・グラブ賞は、有名な選手が選ばれることが多い。仕方がない部分もあるが、隠れた「守備の名手」を紹介して表彰するのも、記者の醍醐味ではないかと思う。多彩な視点で評価していただきたいと思う。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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