パのゴールデン・グラブ賞をデータで検証…意外、順当、選出あれこれ

三塁手はやや衰えの傾向、遊撃は新人源田が躍進も…

〇三塁手 守備率、RF DP/Gで比べる。RF順

ウィーラー(楽)137試 守率.936 RF2.36 DP/G 0.15
中村剛也(西)108試 守率.957 RF2.28 DP/G 0.10
レアード(日)136試 守率.942 RF2.15 DP/G 0.13
松田宣浩(ソ)143試 守率.967 RF2.05 DP/G 0.13
小谷野栄一(オ)105試 守率.942 RF1.70 DP/G 0.12

★ゴールデン・グラブ賞 松田宣浩(ソフトバンク)

 最近のパ・リーグには、守備で目立つ三塁手があまりいない。三塁手のRFは2.40は欲しいところだ。松田のRCは、昨年の2.43から大幅に下落。守備率は1位だが、フル出場した選手としては少し厳しい数字だ。同い年の西武・中村とも同じく三塁守備がやや厳しくなっているのでは。最もRFがよかったのは楽天ウィーラーだが、守備がうまい印象はない。松田が消去法で選ばれた可能性も否めない。

〇遊撃手 守備率、RF DP/Gで比べる。RF順

源田壮亮(西)143試 守率.971 RF4.96 DP/G 0.62
安達了一(オ)105試 守率.986 RF4.57 DP/G 0.60
中島卓也(日)91試 守率.977 RF4.26 DP/G 0.46
今宮健太(ソ)140試 守率.988 RF4.00 DP/G 0.39
茂木栄五郎(オ)87試 守率.977 RF3.85 DP/G 0.47
三木亮(ロ)78試 守率.982 RF3.59 DP/G 0.47

★ゴールデン・グラブ賞 今宮健太(ソフトバンク)

 今季は西武の新人、源田が驚異的な守備範囲を見せ、データアナリストたちを驚かせたが、ゴールデン・グラブ賞はソフトバンク今宮が5年連続で受賞。確かに源田はリーグ最多の21失策。厳しい打球も追いかけるため、失策も多かった。ただ、今宮のRFはかなり低い。源田とは1試合当たりのアウト処理数が1個近く違う。これをどう見るかで、評価は変わってくるだろう。

〇外野手 守備率、RFに加えて、外野から走者をアウトにした数である補殺数を示す。10個を超えると強肩とされる。

西川遥輝(日)138試 守率0.993 RF2.05 補殺 2
島内宏明(楽)139試 守率0.996 RF2.00 補殺 4
秋山翔吾(西)143試 守率0.99 RF2.00 補殺 7
松本剛(日)105試 守率0.995 RF1.97 補殺 6
大田泰示(日)102試 守率0.995 RF1.95 補殺 3
角中勝也(ロ)101試 守率0.985 RF1.92 補殺 5
荻野貴司(ロ)101試 守率0.995 RF1.87 補殺 6
柳田悠岐(ソ)130試 守率.996 RF1.84 補殺 6
中村晃(ソ)137試 守率.996 RF1.81 補殺 6
岡島豪郎(楽)105試 守率1.000 RF1.79 補殺 3
ロメロ(オ)78試 守率1.000 RF1.67 補殺 1
T-岡田(オ)116試 守率.984 RF1.63 補殺 3
駿太(オ)115試 守率.995 RF1.6 補殺 2
外崎修汰(西)118試 守率.989 RF1.53 補殺 4
加藤翔平(日)90試 守率.986 RF1.53 補殺 5
上林誠知(ソ)130試 守率1.000 RF1.37 補殺 10
聖澤諒(楽)91試 守率.991 RF1.19 補殺 2
木村文紀(西)101試 守率.982 RF1.06 補殺 1

★ゴールデン・グラブ賞 秋山翔吾(西武)、柳田悠岐(ソフトバンク)、西川遥輝(日本ハム)

 外野は日本では1つのポジションとされるが、MLBでは右翼、中堅、左翼に分けて評価される。守備機会が圧倒的に多いのは中堅、次いで右翼、補殺は右翼、左翼の順。守備範囲の指標であるRFで評価すると、中堅手が上位に来る。ゴールデン・グラブ賞の秋山、柳田、西川はともに中堅手(西川は左翼も守った)。3人とも守備に定評があり、過去にも受賞歴がある。しかし、今季の柳田はRFが2を割り込み、守備範囲が狭くなっている。

 楽天の島内は今季初めて規定打席に達し、守備での貢献度も高かった。これも評価したいところだ。上林は主に右翼を守って10補殺。彼も今季からのレギュラーで、走者の警戒心が低かったこともあって多くの補殺を稼いだ。右翼だけで選出するなら上林が選ばれる可能性があっただろう。

捕手はホークスの強肩・甲斐が受賞

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