虎視眈々と力蓄える楽天 来季は若手・新戦力のさらなる台頭でリーグ制覇も

田中&オコエの「機動力」も必要不可欠!?

 最終的にはリーグ3位の打率.296をマーク。球界屈指の俊足、成長著しい守備、初球からフルスイングして確実に失投を仕留める打撃技術に加え、生真面目な練習態度でもチームメイトの信頼を得ている23歳。その小柄な身体が秘める可能性は無限大だ。右肘のクリーニング手術を受け、万全の状態で挑む来季はどのような活躍を見せてくれるだろうか。

 また、今季のチーム盗塁数がリーグ5位の42個と、機動力に課題が残る楽天。打線は俊足巧打の選手を多く擁しているが、長打力や得点力の面では外国人選手に頼っている部分が大きいことは否めない。長打以外の方法で好投手から得点をもぎ取るためには、走塁技術に長けた選手が必要だ。今は荒削りでも、俊足を備える若手の将来に期待がかけられている。

 立教大学出身のドラフト3位ルーキー・田中は、俊足と強肩を誇るスイッチヒッター。5月半ばに1軍に昇格すると、同20日の千葉ロッテ戦でスタメン起用され、延長12回表にプロ初本塁打にして決勝2ランとなる一発をかっ飛ばす。その後も1軍で代走、守備固めとして試合に出場。打率は1割台に終わったが、チームトップタイの7盗塁をマークした。

 俊足と言えば、大器の片鱗を見せ付けているオコエも挙げられる。2年目の今季は怪我の影響で出遅れたものの、8月に1軍登録されて以降はレギュラーの座をつかむ。前年1割台と苦しんだ打撃も今年は3割をマークするなど、飛躍のシーズンとなった。

 大きな期待を背負って、今季1軍で経験を積んだ両選手。オフにレベルアップを遂げ、来季は楽天の「機動力」の核としての活躍を見せてほしい。

 ここ数年、エース・則本の孤軍奮闘が取り沙汰され、中継ぎ陣の層の薄さに悩まされてきた楽天だったが、今季のチーム防御率はリーグ2位の3.33だった。昨季がリーグ5位の4.11だったことを考えれば、投手中心の補強が功を奏したと言える。頂きを目指す来季は、今季確かなポテンシャルを見せ付けた2人の新人投手に、期待しないわけにはいかない。

今季のドラ1藤平はさらなるブレークも

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