WBSC公式サイトが台湾初女性審判を特集「女性が野球をプレーできるように」
圧倒的に男子の多い野球界で奮闘するリュウ・ポーチュン氏
近年は女子の野球人口が世界で徐々に増えつつあるが、それでもまだ野球は圧倒的に男子のスポーツと考えられている。女子野球関係者が少しでも世間の認知度を上げ、競技人口を増やそうと尽力する中、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)の公式サイトで台湾球界初の女性審判、リュウ・ポーチュン氏の特集記事を掲載。この中でリュウ氏は「スポーツを通じて女性を」と訴えている。
「台湾女子野球の母」としても知られるリュウ氏は、幼い頃から野球選手だった父の影響もあり、野球をプレーしていたという。だが、13歳の時に「野球界にスカート(女子)はいらない」と言われ、選手としてプレーすることを諦めたそうだ。だが、野球愛を捨てきれずに、リトルリーグにボランティアとして参加。その時「審判のレベルが高くなく、私の方がうまくできると言いました」と、審判になることを目指した。
審判学校にも通い、正式に審判のライセンスを取ったが、それでも「女子」に対する壁は高かったようだ。「審判として150試合終えた時に、球審をやりたいと言ったら、それは不可能だと言われました。女子はボールに触ってはいけないと。当時はまだ見下され、名前ではなく“女子”と呼ばれるだけで、イライラが募っていました」と明かしている。
現在では、2017年国際スポーツ・メンタリングプログラムに参加し、スポーツ界での女性の活躍推進運動に参加。台湾での女子野球の普及に力を注いでいるという。リュウ氏は「性差別をなくすことで、より多くの女性が野球をプレーできるようにしたい」と話すと同時に「スポーツを通じて女性を勇気づけ、平等な機会と自身の幸せを求める意思の手助けをしたい」と語ったそうだ。
日本では野球人口の減少が懸念されているが、女子の野球人口を増やす環境作りが、ひいては男子の野球人口増加にもつながるのかもしれない。
(Full-Count編集部)