全く異なる“新生”日本ハムへ 来季活躍期待の戦力たち
活躍目立った鍵谷、先発ローテ入りが期待される石川
もちろん、昨季チームを日本一に導いた主力選手もさすがの存在感を見せてくれた。リードオフマンとして打線をけん引した西川遥輝は39盗塁をマークし、球団史上初となる2度目の盗塁王を獲得、自身初となるゴールデングラブ賞にも輝く。近藤健介は怪我の影響で57試合の出場に終わったが、驚異的な打棒を披露。6月上旬に戦線離脱するまで、打率4割台を維持した。来季は万全の状態での打撃に期待したい。
投手陣に目を移すと、やはり鍵谷陽平の活躍が目立つ。チーム最多の60試合に登板すると、球威のある直球を低めに集め、防御率2.53と安定した投球を披露。来季も中継ぎ陣の柱としての働きに注目だ。
また、先発ローテーション入りが期待されるのが、21歳の石川直也だ。今季は開幕1軍入りし中継ぎで34試合に登板すると、9月3日の千葉ロッテ戦でプロ初先発を飾る。白星こそ手にできなかったものの、3試合に先発した。吉田侑樹は今季4度目の先発となった9月18日オリックス戦で、「守りに入らないピッチングを心がけました」という強気な投球で7回5安打1失点の好投。見事プロ初勝利を挙げている。
ルーキー左腕の堀瑞輝は、1軍では中継ぎとして3試合に登板。1軍初先発となった9月29日の楽天戦では、5回を投げて無四死球、1失点。黒星を喫したものの、今後が楽しみな逸材であることを自ら証明した。
FA権を行使せず、チームに残留することを表明した宮西尚生は、今季ルーキーイヤーから10年連続50試合以上登板達成となる51試合に登板。8月3日の千葉ロッテ戦では、プロ野球史上2人目、パ・リーグの投手としては初となる通算250ホールドを達成した。
11月13日、北海道日本ハムはツインズのマイケル・トンキン投手と契約合意に達したことを発表している。栗山監督は「来季の巻き返しに向け、リリーフ陣の強化は絶対不可欠です。80試合以上のメジャー登板をしているトンキン投手の加入は、チームにこの上ない補強となりました。パワフルなツーシームが強みで、奪三振率の高さが際立ちます。勝ちパターンのゲーム終盤に力を発揮してくれることを大いに期待します」とコメントしており、来季に向けた補強は着々と進んでいるようだ。
最大11.5ゲーム差をひっくり返してリーグ王者に輝いた昨季の北海道日本ハム。チームは多くの魅力を備え、向こう数年はこの強さを維持するかのように思えた。しかし、様々な事情により、1年というわずかな期間でチームは変わることを余儀なくされる。ここに挙げた選手の活躍で、来季は巻き返しを果たせるか。栄光の2016年とは全く異なる新生・北海道日本ハムとしての戦いを、今から楽しみにしている。