コンバートから5年 バットで生き残りかける西武・木村文紀の戦い
1軍争いはさらに激化、来季30歳迎える苦労人は競争を勝ち抜けるか
その後2年間は、森や金子侑といった若手選手が外野手へ挑戦した影響で、出場機会が減少するものの、今季は再び1軍で活躍の場をつかむ。開幕スタメンを勝ち取ると、シーズン序盤は田代や外崎と外野の一角を争いながら順調に試合出場を重ねた。
5月は月間打率.265、2本塁打を記録すると、下旬に金子侑が怪我から復帰してからは、試合終盤の守備固めや代走、貴重な右の代打として、チームの躍進を支えた。結果として2014年以来の100試合出場(105試合)を達成。2年ぶりの本塁打も記録し、1軍で確かな足跡を残すシーズンとなった。
シーズン中盤からは途中出場が多かった木村文だが、福岡ソフトバンクに対しては5月20日の逆転弾を含め、30打数9安打、打率.300。チームが大きく負け越した相手に対して相性の良さを見せている。さらにシーズン打率は.201にとどまったものの、左投手相手には.294と強みを発揮。俊足好守といったセールスポイントに加え、打撃面でさらに存在感を残すことができれば、その地位は揺るがないものになるだろう。
首位打者・最多安打の2冠に輝いた秋山を筆頭に、昨年の盗塁王・金子侑や、今季レギュラーをつかんだ外崎、ベテランの栗山など、充実の布陣となっている西武外野陣。来季は、3年目の愛斗や2年目の鈴木といった新進気鋭の選手たちも、ポジション争いに加わることが予想され、1軍の枠を巡る競争はさらに激しくなる。
30歳の節目を迎える来年は、ついにキャリアの半分を野手として過ごすことになる木村文。アピールポイントを存分に発揮し、生き残りをかけての激しい戦いを勝ち抜けるか。挑戦を続ける苦労人の勇姿に注目していきたい。