ソフトB久保コーチは褒めて伸ばす?! ブルペンに響く「そう!そう!」の声
この秋の仕事は、選手ごとの「キーワード探し」
16日、第4クール2日目を迎えたソフトバンクの秋季キャンプ。そこで積極的に選手の指導に当たっているのが10日に就任会見を行った新任コーチ陣だ。中でもベテランの久保康生2軍投手コーチは、若手投手陣の意欲を感じているという。
久保2軍投手コーチは、福岡県嘉穂郡穂波町(現:飯塚市)に生まれ、これまで約40年に及ぶプロ生活を近鉄、阪神という関西のチームで過ごしてきた。ソフトバンクのコーチ就任は、立花義家1軍打撃コーチとともに過ごした柳川商高時代以来、実に41年ぶりの“里帰り”だ。
「ずっと近鉄と阪神を行ったり来たりしていたので、まさかこうして福岡に戻って来られるとは思っていなかった」という久保コーチ。10日の就任会見時には「ソフトバンクには、長い歴史の中で積み上げてきた常勝軍団としての強さがある」と語っていたが、実際に秋季キャンプで指導を始めてみて「会見で言った通りの強さをひしひしと感じていますよ」と語る。
途中からの合流となった秋季キャンプでは、まだ実働4日ながら「選手たちが僕から何かを引き出そうとする意欲を感じますね」と、若手投手陣の熱意に感心しきり。
「どこの球団であろうと、スカウトが素質を認めてプロの世界に入ってきた選手ばかり。いいものを持っていることに変わりはない。ソフトバンクは3軍制があるから、その分、人材は多いですね。今はそういう選手たちを目覚めさせるキーワードを、選手ごとに探している段階です」と話す。
実際の指導では「そう! そう!」「それ! それ!」といった肯定的な言葉が次々と飛び出す。典型的な“褒めて伸ばす”タイプに見えるが、久保コーチ本人は特別な意識はないという。
「まあ、長いことこれでコーチをやってきましたからね。確かに悪いところを指摘するというよりも、わかっていないなと思ったらもう一度やらせるタイプ。それでいいイメージをつかんで(練習を)終われたら、また明日はそこからスタートできますから」
現役投手として20年、コーチとしても19年。久保コーチの豊富な経験が、ソフトバンクの若手投手陣にどのような影響を与えるのか。この先、春季キャンプにかけて楽しみは尽きない。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)