「社会人NO1」からプロ入り オリ・ドラ1山岡が1年目に「7勝」を掲げた理由

辛い練習や自身の課題を「楽しい」に変えてしまう22歳

 そして今は来季に向けて見つかった課題を埋めて行く作業に楽しさを感じているのだという。プロ1年目で7勝という目標はクリアしたものの、チームは優勝を逃し、自身も負けが先行。150イニング登板という目標も達成できなかった。だから、今季の成績には満足していない。

「今シーズン、自分が思っていたより疲れました。もうちょっと体力がいるのか、それとも動く量を減らすのか、投げる球数を減らすのか。考えながら練習をするのが楽しいです」

 来シーズンの目標は今年以上の成績。2桁10勝とチームの優勝だ。

「やっぱり優勝したいですね。甲子園を決めた高校3年の夏しか優勝の経験がないんです。あの時、あんなにうれしかったんだから、プロの一流の選手の中で優勝したら、もっと楽しいだろうなと思います」

 172センチとプロ野球選手としては小柄だが、特に苦にしている様子を見せない。むしろ、その体をいかに万全な状態に保つかを意識しているという。「怪我をして痛い状態で投げるのが一番楽しくない。思うように投げられないと、楽しくないじゃないですか」。山岡にとっては、ここでも「楽しさ」がキーワードだ。

 辛い練習や自身の課題、それら全てを「楽しい」に変えてしまう22歳の右腕。日本一という最高の「楽しい」を経験するため、さらなる成長を目指していく。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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