期待の若手が武者修行、アジアウィンター・ベースボールリーグが面白い

阪神・竹安は1軍マウンドも経験、日本シリーズ出場DeNA細川も参戦

 ウエスタンでリーグベストのチーム防御率3.20を記録したオリックスからは、単独では唯一の完封勝利を記録した吉田凌投手ら1997年生まれの3投手が参加。社会人経由で阪神に入団した竹安大知投手は20試合で78.1回を投げて防御率2.76の成績を残し、1軍のマウンドも経験するなど、ウエスタン選抜のキーマンとなるかもしれない。

 バッターは全体的に巧打者が多く、特に鈴木将平選手(埼玉西武)は高卒1年目ながらリーグ4位の打率.280をマークした。チームメイトの山田遥楓選手や川瀬晃選手(福岡ソフトバンク)、オリックスの岡崎大輔選手(オリックス)はいずれも打率.250を切ったが、常時スタメンで出場しているように、期待の高さがうかがえる。対照的に、九鬼隆平選手(福岡ソフトバンク)は強肩強打が売りの捕手で、2軍の21試合で放った11安打のうち6本が長打、3軍ではチーム最多の7本塁打と素材が光る。

 他方、昨年は届かなかった優勝を狙うイースタン選抜には、より実戦で結果を残している投手が多く選抜されている。今村信貴投手(巨人)はリーグ2位の防御率2.45、京山将弥投手(横浜DeNA)は同4位の4.17をマーク。ルーキーの菅原秀投手(楽天)は1軍で29試合に登板して防御率5.02とプロの厳しさを味わったが、2軍では13試合に投げて2失点に抑えた。

 谷岡竜平投手(巨人)は、主に救援で51.1回を投げて防御率2.98。昨年のドラ1左腕として注目を集めた寺島成輝投手(東京ヤクルト)は故障もあり、シーズン終盤に1軍デビューを果たしながら、2軍での登板も6試合のみ。だが、少ない登板の中でも投球回数と同じ19三振を奪っている。同年のドラフトで指名された中尾輝投手はイニングを上回る67奪三振と、それぞれが将来を楽しみにさせる投球を披露した。

 打者では、ファームで2桁本塁打を放っている横浜DeNAのルーキー2人には期待が持てる。佐野恵太選手は規定打席に届かなかったが長打率.453はリーグトップの水準で、細川成也選手は日本シリーズでヒットを2本放ち、名を売った。巨人にドラ1指名されて入団した吉川尚輝選手はイースタン3位タイの20二塁打を記録し、二遊間を50試合以上ずつ守るなど、攻守で飛躍するべく奮闘中の原石だ。田中和基選手は1軍で54打数6安打と苦しんだが、2軍の42試合では打率.295を残している。

 チームを率いるのは、ウエスタンが大道典良監督でイースタンが川相昌弘監督。ともに現役時代は玄人好みのする職人だった。コーチ陣は全体的に若く、数年前まではグラウンドで汗を流していた、かつての名選手の姿を見るのも、楽しみ方の1つになるだろう。

日本にゆかりのある選手や来年のドラフト指名候補も

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