「自分を安心させる引き出しを」―年俸3倍超増の西武源田、侍で得た財産
新人王は1200万円から大幅増でサイン「最大限の評価をしたと言ってもらえた」
今季パ・リーグ新人王を獲得した西武・源田壮亮が4日、メットライフドーム(埼玉県所沢市)で初の契約交渉を行った。
「新人で、ショートの穴を埋めてくれたし、しかも初のフルイニング出場と、すべて非の打ち所がない活躍。チームを変えてくれたという部分も加味された(鈴木葉留彦球団本部長)」と、球団は1200万から3倍超増の4100万円を提示。「最大限の評価をしたと言ってもらえた」と、驚きと満面の笑みで、更改を報告した。
開幕から遊撃のレギュラーを確保し、全試合フルイニングに出場。新人遊撃手としては初の快挙となった。また、155安打、37盗塁は、いずれも球団の新人選手最多記録を更新するなど、まさに記録ラッシュだった。さらに、打率.270はチーム3位、犠打数26はチームトップと、リーグ2位のチームに大きく貢献した。
充実のシーズンを「すべて初めてだったので、無我夢中でやれた1年だった。1年間試合に出続けられたことが一番良かった」と振り返ったが、「来年は、今年の成績が基準になると思うので、周りからの見られ方も変わると思う。今年以上にやらないと、周りから『あれ?』と思われると思うので、全部今年以上にしっかりやらないと」と早くも来季へ向け襟元を正した。驕りは一切ない。
11月の『第1回アジア プロ野球チャンピオンシップ』の日本代表に選出された際、他球団の選手たちの取り組みを見て「成績、結果を残している選手は、試合までの時間の使い方や、ルーティン的なことを、自分できちんとわかって、自分がやるべきことをしっかりとやっているなと感じました。僕にはまだ、そういう引き出しがなかったので、来季は、自分の中で『困ったら、これだけはこうしておけばいい』『こういう練習をしておけばいい』という、自分を安心させられるような引き出しを、何か探して、作りたいと思っています」
野球勘の鋭さと向上心は、チームメイトの誰もが認めるところ。1年目にして球団史をいくつも塗り替えた遊撃手のさらなる進化に大いに期待したい。
(上岡真里江 / Marie Kamioka)